☆「非日常な出来事は、何かに背中を押される感覚と共に起こる」

ゾロ目の55! 気がつけば自分も50代のジャスト半ばへ到達だ。
小当たり的にいい事ないかな~(笑)。
24の誕生日はパチプロで迎えたので、これで食い始めてから31年ですかぁ。
「弱っちい俺が、よくここまでもったな」
そんな感傷と同時に、亡くなった田山さんが晩年呟いた
「バカみたくこんな毎日毎日パチンコやってさぁ」
なんて自嘲と同じ(?)気持ちも湧いてくるってもんですよ。

振り返るといろんなことがあった。
大勝ちして「選ばれし者か!」と思ううぬぼれも、台にあぶれたり結果が出ずに、自らの才の無さに打ちひしがれるような無力感にとらわれたことも…。
たいていの日々は皆さんが考えるパチンコの数字のブレ内で落ち着くんですがね。

今回は悠遊道初の統一テーマ企画として、「絶頂の瞬間」というコラムを書くことになった。
まず考えたのは、過去に三度あった20万以上の大勝ち。それを採り上げようとも思ったけれど、よく考えると、もっと自分の中で珍しい出来事があったのを思い出した。
今回はそれでいきますね。

☆「羽根デジで初の10万コースを達成した日」

羽根デジでホームランを出すのはなかなか大変だ。ゲーム性というか出玉の少なさは安定を意味していて、大負けのリスクが少ない代わりに突き抜ける勝ちも限界があるから。

ハネ海登場から積極的に羽根デジに手を出すようになった自分でも、ずっと10万円のプラスには手が届かなかった。
初代アグネスなんかはみんながやっていない頃に、左側でひねって電チューにねじ込む打法を開発して、以来4年も5年もメインにしていたのだけどねえ。最高でも「あと数千円分玉が出れば」の9万円浮き止まりが何度かあったくらい。
友人達から同じ手堅い羽根デジで大台到達の話を聞くたびに、「俺もいつかは…」と思っていたもんだ。

そんな日が訪れたのは、2014年の2月25日。機種は烈火の炎甘だった。

ちなみに、この機種はたしか当たると全部60回転のSTに入るのだけれど、電サポ回数が0回、30回、60回と分かれているのが特徴。ST中の大当り確率もそんなに高くはなく、出玉を伸ばすには玉が減らない電サポ状態に入れるのがポイントだった。
特に「激闘RUSH」と呼ばれる電サポ60回の状態がチャンスで、30%で出玉千個が期待できて更に60回の電サポが続く当りを引けるかは超重要。まあ、この辺の振り分けは運ですがね。

ホールは30玉交換。当時は水戸黄門や銭形平次に端を発した「ひねりブーム」が一段落した頃だった。
自分もその末期にスケバン刑事や巨人の星辺りでマスターし(今も上手くはないけど)、ひねるスキがあればどんな機種でもクイッとやっていたものだ。
この烈火甘もそうで、大当り中のオーバー入賞、電チューのオーバー入賞狙い&打ち出しを増やして小デジの保留を枯らさない為に、当然ハンドルと格闘しまくりだったな。

展開は…。
残念ながら詳細はもう覚えていない。記録してあるのは、3500円で最初の当りを引いて、あとは終日持ち玉遊戯になったこと。
出玉が34,052個残ったこと。
それからあまりに当り過ぎて、潜伏込みの通常時回転数が998回転だけ。獲得した出玉が436Rだったこと。
回り具合はパーソナルシステムからの実測で千円21個少々の、一番出玉が少ない4R当り換算で35回転させられる台だったようだ。

まあ、今さら細かい数字を挙げても意味は無いわな。自分自身、そっから何か計算をしようとも思わないし。
強烈に覚えているのは、バカ噴きする時の「ツキという得体のしれない物に背中を押される感覚」を、昼頃からビンビン感じていたこと。
こういうのは長くパチンコをしている方々はけっこう経験則として持っているのではないかな?

自分は200分の1で連チャンもないノーマル機時代の大勝ち、2回ループのCR機の黄門ちゃまで確変一撃で36000個出た時の確変中、海で13連チャンの後にすぐまた17連チャン等、何度もこの感覚になったことがある。
何というか、普段は確率という道路の中を決められた範囲でちょっとだけ右や左に逸れたり、「アクセルを踏んでも、ここまでしかスピードは出ない」というラインを飛び越していく感じ。
それこそ、道路が急に広がり、逸れる範囲はどんどん大きくなり、スピードも良い方に制御できずに空を飛んで道から道へワープするような…。
いや、自分は免許無いんで車は乗りませんけど(汗)。

日頃はそれも錯覚が多く、終わってみれば「大勝ちではあっても、常識の内」の勝ちで終わるのだけれど、この日は違った。
連チャンが終了したと思えば、またすぐに当たって、電サポ30回転以内で当りを引き連チャン突入。そんな繰り返しだったもの。

この機種では個人的に、アニソンを多くレコーディングしている実力派の川村ゆみさんの「GOING MY WAY」という曲を聴くのが楽しみだったが、それもお腹一杯になるほど耳にできたっけ。

夕方からの「来るぞ、来るぞ。デカい一発」の気持ち良さは、たしかに絶頂の瞬間でした。
そして、やっと羽根デジ10万勝ち童貞を卒業した達成感に包まれ、少しだけフワフワした足取りで21時過ぎに店を後にしたのでした。

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