木曜日

朝から埼玉の奥まで足を延ばすも、予測していたよりもデキ悪

無駄に足掻いて一万弱の負債を抱えて、数日前の夜の見回りでチェックしていた二店目へ

あまり感触は良くないものの、何とか食いつき2000発と少しの玉

時刻はすでに15時過ぎ、小腹がすいたので近くのコンビニへ行く

 

 

 

いつも買うポテトサラダとパンを手にレジに向かうと、二つあるレジのうち、稼働していない無人のレジの前で立っているスポーツ刈りの少年、というか青年がいた

すこしぽってりとした体形、視線を宙に浮かせまま、口元はなにかを言いたそうに半開きになっている

どうかしたのかな、と思いつつ、中央付近の棚のあいだにあるレジの並び場所に向う

ほどなくして、前の方の清算が終わりレジに向おうとすると、隣のレジからその青年が駆けてくる

ああ、並んでいたのね、と眺めていると、施設の職員であろう感じの良さそうな女性がぱたぱたと彼に駆け寄ってゆく

「あらあら、○○くんダメよ。お兄さんが先に並んでいるじゃない」

「お兄さんが終わったら会計しようね」

と笑顔で、優しく諭しはじめる

いやいや、どうぞどうぞ、と身振り手振りで必死に伝えるも、職員さんは笑顔で「気を使っていただいてありがとうございます、大丈夫ですのでお先にどうぞ」という空気を僕に投げると、すぐさま、また彼に笑顔を向けて、さあ並ぼうね、と手を引く

彼は何をダメと言われているのかを理解できいないようすで、戸惑っている

しかし、気さくな職員さんに連れられて、不思議そうな表情を浮かべたまま、今さっきまで自分がいた場所に並びはじめた

いや、違う、そうじゃない

何かを言わなければと思うのだが、喉奥で詰まり、言葉は出ない

瞬間考えるが、結局、先に会計を済まし、頭を下げて店を出る

胸のあたりに何かが引っかかっている

とぼとぼ歩いてホールの駐車場に向い、車の中で購入したパンとコーヒーをすすりながら、いまあった一連の出来事を反芻してみる

 

そもそも、彼の方が先に並んでいた

もし、これがよくいる親子であったならば、きっと自分は

「いやいや、おにいちゃんの方が先に並んでいたもんね」

と少年と母親に笑顔を見せて、譲っていたはず

が、その一言が出てこなかった

何かに、ためらった

 

その時の自分の心情を推し量ろうとしてみる

毎日パチンコ屋に通い詰める最底辺の人間が、そのときどのようにこころが動いたのかを想像してみる

 

ときに自分は、自分であることが堪え難いほど恥ずかしい

 

 

でも

 

 

今月の収支はもっと恥ずかしい

 

2/17~23 60h0m +14000