前回の設定推測のツボ4 ~ 設定値と仕事量・前編 ~にて、仕事量の概念について説明致しましたが、ではこれを実際に現場に落とし込むにはどうすればいいか。
ツボ1~3で外的要因と環境を整理した上で、それでも毎回確実に高設定を掴める人などいません。実際に打った結果、残念ながら低設定だったというケースはいくらでもありますので、その際にどこで見切りをつけるか。
そこに仕事量の概念が力を発揮します。
Point.1 求める設定値とリスク管理
パチスロを打つにあたって高設定狙いで勝つ事を目指すならば、入場前の機種選択で少しでもペイアウトが高い順に狙い台を絞っていくのが基本になります。
例えばバジリスク絆の設定6(119%)とアイムジャグラーの設定6(107%)、どちらも狙える(座れる)状況なのであればバジリスク絆を選ぶのは当然ですよね。
ですが、ツボ3で解説したような環境の違いでどうしたって設定6を望めない日はありますし、例え狙い台が高精度で絞れていたとしても当日の抽選結果などから、本来打ちたかった台に毎回座れるわけではありません。そこで重要になってくるのが求める設定値と狙いを外した時のリスクを天秤にかける事です。
■1.座った台に求める設定(ペイアウト)を明確にする
当日の流れがどのような形にせよ、台を確保して打ち始めるならば、まずその台に期待する設定(ペイアウト)は必ず明確にしておきましょう。
ツボ1・2で書いたような外的要因から、明確に今日この機種の最高設定は○と断言できるのが理想です。そして、設定値が明確になったならば、それを打ち切った際に得られる仕事量(リターン)を把握しておきましょう。
■2.マイナスになる設定1の仕事量を意識する
必ずしも設定6のような大きなリターンが見込めない状況で打ち始めている場合には、この台が仮に設定1の場合、○○ゲーム回したらマイナス○○枚の仕事量になる、だから○○ゲームまでの推測結果を元に続行・ヤメの判断をする。
この押し引きのラインをまず持つ事です。そのゲーム数の根拠がリスクとリターンを天秤にかけた時の仕事量を基準に決定できるようになるのが理想です。
■3.機種ごとの推測精度は座る前から把握しておく
押し引きのラインは、単純なペイアウトだけでなく、機種による推測精度によっても大きく変化します。
・アイムジャグラーの設定1と6
・バジリスク絆の設定1と6
どちらの方が設定推測が容易か、言うまでもないと思います(決してバジリスク絆の推測が簡単という意味ではありませんが・・・・・・)。では、
・アイムジャグラーの設定1と6
・バジリスク絆の設定2と4
だったらどうでしょう?
・番長3の設定1と5
・バジリスク絆の設定1と4
ではどちらでしょうか?
これについては少し仕事量の概念とは離れる部分ですが、機種別の特性として狙うべき設定値が押し引きに関係してくるのは間違いありません。機種ごとの推測精度は経験が物を言う部分もかなりあるので、初めて打つ機種では中々判断が難しい部分ではあります。だからこそ、そこも踏まえた上で打つ前の優先順位を決め、座るか否か、続行するか否かの判断材料にする事で、自然と低設定のムダ打ちは減りますし、高設定を取り逃さない事にも繋がると思います。
Point.2 捨てていい高設定もある
外的要因をしっかり詰め、狙い台・狙いにいく設定も明確にし、推測精度にも自信がある。そこまで言えてもパチスロの推測などというのは生もの。
本当は高設定でもとことん展開に恵まれない時というのはいくらでもあります。
そんな判断に迷う状況に陥った際には
「この展開なら高設定を捨ててしまっても仕方ない」
という基準と
「捨てたとしても○○ゲーム打った仕事量は残る」
という考え方が必要です。
高設定確定(濃厚ではない)演出が出ない限り、本当の設定値など序盤の2000ゲーム程度では分からない台がほとんどです。展開に恵まれず、全ての推測要素が設定1以下。でも止めた後に座った他の人が高設定確定演出を出して実は高設定だった事が分かった。こんな事もあるわけです。
そんな展開で高設定を手放してしまったとなると、その事は悔しいかもしれません。しかし、そんな現象が設定6で何回に1回起こるのか。いくら狙いに自信があっても本当は設定1だからそんな推測数値になっているのではないか。
確率論の話で、そんな状況下で確かめるため深追いした結果、
・やっぱり設定1でした
・実は展開が悪かっただけで本当は高設定でした
前者の方がはるかに多いのは間違いありません。
勿論、この点については狙いの自信との兼ね合いがありますし、お店を深く知るため(狙いの精度を確認するため)に低設定を承知であえて投資するといった全く別の観点もあるので一概に言えません。
しかし、自分の台選びの根拠がよほど強いと言い切れる状況でないなら、時には高設定は捨ててしまうものと割り切り、リスク回避を優先するのも大事なポイントだと思います。
ちなみにこれはあくまで余談ですが、ボクの経験上、設定1に関してはメーカー公表値よりも2~4%程度は低くなるものだと思っています。
数年前、1年間を通して「これは確実に1だろう」という分類で自身のデータをまとめた事があるのですが、その際のペイアウトは約95%でした。中にはヒキだけで一撃5000枚オーバーを記録したようなデータも混じっての話です。
こんな生活をしている人間ですから、小役の取りこぼしやヤメ時による損失などは極力無い上でのデータです。
メーカー発表のペイアウトが96%以下の台なんてまずないんだけどなぁ・・・・・・
設定1のリスク・・・・・・公表値は鵜呑みにしちゃダメだと思いますよ(笑)。
●ツボ5 ~ 設定値と仕事量・後編 ~ まとめ
勝てる可能性の高い台をより多く打ち、負ける可能性の高い台に極力手を出さない。
これはパチンコ・パチスロ両方に共通する不変の勝ち方であり、その根幹をなすものが仕事量という概念です。
天井狙いやゾーン狙いのような「状況が整えば確実にプラスになる」といった変則的な打ち方は、機種特性ありきの話ですが、高設定狙いはパチスロから設定という概念が無くならない限り不変の勝ち方です。
プロになろう、とか出来る限り多く勝ちたい、といったところまで行かなくとも、仕事量の概念が頭にあれば、勝った負けたを当然の勝ち・当然の負け、と捉える事が出来ます。
それぞれの置かれた環境や好むスタイルに合わせて、負けすぎず、楽しむためにも是非とも仕事量という言葉を覚え、設定値を常に意識した立ち回りをして頂ければと思います。
さて、次回の設定推測のツボ6では ~ 横の比較 ~ と題して現場での設定推測に関する突っ込んだ話をしたいと思います。
需要があるんだかないんだか分からないまま突っ走ってますけど、スロッカスが何か言ってるわ、くらいに生暖かい目で見守って頂けると幸いです(笑)。
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