現在進行中の夏のSPコラムですが、公開日が少々ランダムなので、下記から今一度公開済みのコラムを確認して頂ければと思います。

スペシャルコラム～2019、夏～　特設ページ

　ボクのコラムは本日12時に公開予定なのですが、その前に少しコラムの主旨を補完する意味で、今日は改めてパチンコ・パチスロにおけるグループ打ち、いわゆる「軍団」の生態について詳細を解説したいと思います。

　悠遊道読者の多くの方はご存じであろう今更な話なので「知っとるわ」と言う方はすっ飛ばして頂ければと思います。本題はそこではないので。

軍団に属する人

・親……グループ内の投資金を出し、勝てる台・店を探す。自身も打つ人と打たない人がいる。一人でも勝てる腕を持つ。

・班長……大人数の軍団に存在。親と子の中間管理職で一人でも勝てる腕を持つが、資金力がなかったり、人を束ねるのが苦手だったりするとこの立場になるケースが多い。子よりは実入りが良い。

・打ち子……技術レベルはど素人からそこそこヤレる人まで様々だが、自分で打つお金が無く一人では勝てない人。バイト感覚の人が多い。時給800円～1,000円程度が一般的。

・引き子……抽選だけ参加して良番を親・班長・打ち子に提供する人。一回1,000円～2,000円程度の単価制。引き子と打ち子を兼ねる人が多い。一人で勝てる腕は無い。

軍団のメリット

親のメリット

・台の期待値以下の時給で打ち子に打たせ、差益×人数分のあがりを吸い上げる事で、一人で打つよりも多くのお金が得られる。

・人数が増える＝試行回数が増えるので、結果が安定しやすい

・多人数で行動する為、イベント情報・店内の状況等々、様々な情報を集めやすい

・抽選で良番を引ける確率が上がり、イベント日の機会損失を減らせる

子のメリット

・お金が無くてもパチンコ・パチスロが打てる

・仕事をするより楽にお金をもらえる

軍団のデメリット

親のデメリット

・人、物、金の管理が大変

・子との信頼関係が無いケースが多く、出玉を持ち逃げされたり投資金を誤魔化される

・勝つ為のノウハウや情報を子に吸収され、独立されてライバル化する

子のデメリット

・勝ち負けが他人の金で時給制なのでモチベーションが低い

・意識の有無に関わらず、親に搾取されている

・打ち子の場合、打つ時間だけで10～12時間の拘束に加え、最低賃金を余裕で下回るブラックな環境

軍団とノリ打ちの違い

・ノリ打ちは金銭面で対等な関係性、軍団は親と子が完全な労使の関係

・ノリ打ちは活動が散発、単発的。軍団は継続的に活動する

・軍団とノリ打ちが周囲に与える影響は、当日に限っては同じだが、軍団は継続的に活動する分、影響力が強い

軍団が周囲に与える影響・狭義

一般ユーザーが勝てる台に座る確率を落とす

・抽選の不利

・多人数ゆえの情報力で空き台になった良台を素早く占拠する

・一度良台を押さえたら閉店まで空き台にならない

ホール内に異常な光景が生まれる

・子はやる気がない、楽しんでいないケースが多い（スマホがん見・ダルそうな姿勢・無感情等）

・店内、店外での親から子への現金や会員カード等の受け渡し

・抽選番号の譲渡、会員カードの使い回し等、多くのホールで禁止されているルール違反を行う

・パチンコで特に多いが、他はガラガラなのに特定の機種だけフル稼働

ホールの宣伝効果

・長時間稼働で収支を問わず玉・メダルを積む。特に等価のパチンコでは顕著（ただし一般客がそれら良台に座れる事はまずない）

・勝ちを目指すユーザーにとっては、軍団の有無＝良台の有無という面があり、ホールの良し悪しの判断材料にはなる

軍団が周囲に与える影響・広義

一般ユーザーのホール離れを起こす

・ホールの利益を減少させ、アケの機会を減らす

・負ける事が増えるので金銭面で続けられなくなる

・ホール内の空気が悪くなるので居心地が悪くなる

打ち子の労働機会を奪う

・楽に時給を得られる為、社会復帰が遅れる

・社会の労働力減少に繋がる

　とまぁ、細かい部分はグループによって違いがありますが、大まかに解説するとこれが軍団の生態です。ボクは軍団が大っ嫌いですが、出来る限り公平を期そうとメリットも書きました。

　さて、ここからが本題。

　皆さんに考えて頂きたいのは、このような軍団が発生する理由と親になろうとする人物の心理です。

　まず、軍団が発生するのはある意味自然な事でもあります。パチンコ・パチスロに勝ち負けがある以上「より多く勝ちたい」というのは自然な欲望。目の前に勝てる台が多く存在していたら、独り占めしたいという親の欲望は勿論のこと、打ち子になる人にも、仕事をするより楽というメリットがあります。だから、例え傍から見たらブラックな環境だとしても良しとするのも分かります。

　ですので、パチンコ・パチスロが理詰めで勝てるギャンブルである以上、これからも大なり小なり軍団と言うのは存在し続けるでしょう。人間に欲望がある限り、その存在を消すことは不可能だと思います。

　では次に、そんな軍団の親とはどんな存在か。

　親になる人には資金力があり、パチ・スロで勝つ腕も持っています。そして人をまとめあげる力もあるという、能力面だけを見れば非常に優れている人物と言えるでしょう。軍団＝組織なので、それなりに優秀な人でないと親は務まりません。

　一方、親の目的は何かと言えば、疑いようもなく”金”です。自身の利益の最大化。これ以外にありません。それの何がダメなのかと言えば、周囲に与える影響の部分が答えです。

　また、軍団の親は時に「勝てない人の救済」という面を打ち出しますが、パチンコ・パチスロを打たせて小金を渡したところで、それは一時しのぎにしかなりません。決して打ち子本人の為にも、社会の為にもなりません。ツイッターなどで不特定多数の打ち子・引き子を募集するような人というのは、そもそもこういった救済の概念すらないでしょう。

　そして、親が自分たちの影響を分かっていないかと言えばそんな事はありません。なぜなら彼らは優秀だから。気づいていないのではなく、気づいていながら無視をして自分の利益”だけ”を優先できる。それが軍団の親という存在です。

 

　ビジネスサイコパスと言う言葉があるのですが、これはブラック企業の経営者にありがちなタイプです。簡単に言えばビジネスの為ならば善悪の概念をすっ飛ばせる人。他人の感情を読み取らない人です。これは、軍団の親と非常に近いものがあります。

　サイコパスである事と能力の優劣に相関性は無いかと思いますが、行動力・能力が優れている人にサイコパス要素が加わるとブラック企業やパチ・スロにおける軍団が生まれるわけです。

 

　どうでしょう？そのような人とあなたは近づきたいですか？関わりたいですか？権力を持たせて良いと思いますか？

 

　善悪の概念など一つではありませんし、清濁併せ吞むという言葉がある通り、清廉潔白なだけで生きていけるわけではありません。ここからはあくまで自分の中のボーダーラインの問題です。

　ただ、少なくともボクはそういった存在に対して大きな嫌悪感を持っています。勘の良い方なら、誰の事を指しているかお分かりかと思いますが、それらを前提に本日12時に公開されるSPコラムを読んで頂ければと思います。