パチンコ&パチスロを打っていて背筋が凍りつくなんてことは、一般客として普通にプレイしているかぎり滅多に遭遇するもんじゃありません。そもそも、私はホールに居る際は極力目立たないように振舞っていますし、仮に誰かが困っている状況に遭遇しても基本的に放置します。冷たいヤツだと思われるかもしれませんが、ホールはコミュニケーションの場ではありません。昔、私の師匠が次のように言ってました。
「ホール内での小さな親切は大きなお世話だ!」
それでも若い頃には、ボーナスを揃えられず困っている年配客に「揃えてあげましょうか?」と声をかけることもあったんですけどね。いつだったかニューパル(もちろん初代)を打ってる時に隣のオバちゃんの台のバケを揃えてあげたら、「なんでバーなんか揃えるのよ。私はカエルを狙ってと言ったのに、あなたがバーを揃えるから損したじゃない!」とまくし立てられ、説明するのも面倒だからと思って300枚くらいの自分の持ちコインをそのままオバちゃんに譲って以来、頼まれない限り自主的に揃えてあげることはしなくなりました。
ホール内での小さな親切は大きなお世話。我が師匠・弁当屋ギョロさんに教えられたことは、すべてが正しいんだと思います、たぶん。
そして、怪しいそぶりで大量出玉を抱えている輩(ゴト師?)を見かけても、そいつが店内にいる間は知らぬ顔の半兵衛を決め込め…というのも、師匠から教わった保身術です。ゴト師には実行役の他に必ず見張り役が付いているから、お店に報告しようとすると外に連れ出されてボコられるからと。実際、これまでにも、セブンティセブンの盤面押しゴトや、長袖シャツの中に怪しい板を隠している客や(たぶんクレマンくんゴト)、吉宗のレバーに透明で細い糸を引っ掛けてる客(たぶんソレノイドゴト)を見かけたことがありますが、雰囲気的に危険を感じて私は店から逃げ出しました。普段から通い慣れたホールであれば何らかの方法で店側に知らせたと思いますが、そうじゃない店で打っている時にそこまでする義理はありませんからね。
ところが、関わりたくもないのに、関わらざるを得ない事件に出くわしたんですよ。
時は平成14年の6月。パチスロ史上最強にして最恐の爆裂AT機「ミリオンゴッド」(初代)が、直営店でのロケテストを終えて全国デビューしました。当時はガイド編集部でも百萬神に熱を上げるスタッフが続出しており、そんなにアツい機種なら話のネタに打っておこうか…と考えたのが全ての始まりでした。
向かった先は、私が住んでいた中野区にあるX店。普段は滅多に行かない店だけど、近場でそこそこの台数が導入されていたのは、この店だけだったから仕方がない。ところが、やる気満々で朝イチにゴッドのシマに駆け込むと客付きが閑散としていましてね。いやでも、昨日の夜に下見した時は結構出てたんだけどなぁ…などと考えつつ、まるで狐に摘まれたような気分で3~4千円ずつカニ歩きしていると(当時、ミリオンゴッドは朝イチ台が当りやすいと言われていました。おそらくはリセットによる天国モード)、3台目で右リールに赤7が停止(SGG)。してやったりの気分でナビに従っていたところ、数ゲームもしない内に「???」ナビが…。それで、特に深く考えもせず順押しで止めたところ、けたたましいファンファーレとともに液晶に「777」が揃ってケツが浮きました。
そう、最強役のGOD揃いです。初代ミリオンゴッドは通常時のコイン持ちが激悪だけど(何しろリプレイすら揃わないため、千円で16G余り2枚なんてことが普通にありました)、GODが揃えば一撃5千枚が確定。そんなわけで、膝に抱えたドル箱に震える指でコインを詰め込む作業に没頭していると、その消化中に再びSGGを引いて「+50G」と表示され、終了後のG-ZONE中に4発ほどGGが出てきました(SGGで確定した分)。PGGを引いたら3発上乗せされるはずですが、どうやらストックを飛ばされていた模様です。ああ、もちろんこれは後になって知った話なので悪しからず。
その後もしばらくは打ち続けていたんですけどね。この頃はまだ解析も出ていないし、あまりのコイン持ちの悪さに恐怖して撤退することにしました。
でもって、液晶画面のコイン情報(店側の任意でオン・オフが可能)で獲得枚数を「7300枚」ジャストに調整して出玉を流しました。ここらへんは我ながら非常に冷静ですね。
ところが、ここにきてせっかくの高揚感を台無しにするような事件が起きました、店員さんから渡されたレシートにプリントされていた枚数は「6909枚」。400枚近く足りないじゃん! 打ち始める前にもコイン情報でプラマイゼロを確認していたので、流した枚数が少ないのは明らか。ということは…ジェットカウンターに何か細工をしてやがるな、この店は!
店員さんに文句を言ってやろうと思ったけれど、ホールでもめてロクなことにならないのは過去の経験から十分に承知してます。それに、ガイド編集部に飛び火したら申し訳ないし…。結局、喉まで出かかった言葉をぐっと飲み込んだんですが、後になって編集部の喫煙所で大崎さん(当時はパチンコ必勝ガイド編集長)から信じられないような話を聞かされました。
「X店には組織的なゴト師グループが入り込んでるって噂があるし、そいつらがジェットカウンターゴトをやってたんじゃないかな? たぶん店側は気づいてないだろうから、事件を公にすると後で報復される恐れもありましたね。いや、下手に騒いで危険な目に遭わず何よりです」
瞬間、思わず背筋が寒くなった。
古き良き(悪い)?時代でしたΣb( `・ω・´)グッ ジェットカウンターゴト?らしきホールは自分の地元にも有りました。
しっかり初代ゴッドの液晶で枚数確認している広石さんがさすがのプロ稼働ですね。
あと大崎氏も、情報に抜かりが一切ないというか。
当時のデータ機器では一撃の払い出し枚数の累計なんて出力できなかったと思うの
で、稼働を終えようとするところで出玉抜かれてるなどとは露ともしらず帰る人が
ほとんどだったのでしょうね。
>ブラックリールさん
最初は店側が悪さをしてるんだと思ったんですけどね。
考えてみれば、それならコイン情報なんて機能は切ってるだろうし…。
ゴト師グループが仲間を店員としてホールに送り込み、
そこで悪さをする手口だったみたいです。
>リリベさん
ジェットカウンターゴトにはいろんなケースがありますが、
一度に大量の枚数(2千枚以上?)を流した場合に、
5%くらいカットする手口が多かったようです。
勝ったという高揚感があるので普通は気づきませんが、
私は貧乏性なので気づきました(笑)
ストック飛ばすお店ならば…とは思いますが笑
本当、ドラ広さんの文章は面白い
>なるなるさん
ミリオンゴッドのストック飛ばしは多くの店がやってました。まぁ、吉宗や番長のストック飛ばしとは質が違うので、致し方のないことなのかなぁ…って気はしますけどね。中には逆手をとって毎朝各台に張り紙をしていた店もありましたよ。「この台にはストック○個あり」という感じで。ミリオンゴッドは店側がストックの個数を確認する機能も付いてました。
こんな古いコラムを読んでいただき、そのうえコメントまで頂戴してありがとうございます。
今後も応援していただけると嬉しいです。