悠遊道をご覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。初打ちの結果は、いかがでしたでしょうか。

…っていうか、ほんと申し訳ありません。新年早々、アップが3日も遅れてしまいまして。

いや、ね。自分ではすっかりアップしたつもりでいたんですが、操作ミスだか何だかでアップできてなかったみたいで。ほんと、すみません。

さて、と。気を取り直して、本題に入りましょう。今回も、シリーズ「掃除屋は見た」の続編です。

1991年の夏の終わり頃のことでしたか。場所は、東京ドームにほど近い、でも前回のコンチの話とは別のお店でのことです。

2階のスロットコーナーに、青いパネルのリバティベルⅢがずらりと設置されていたのですが、その日はなんだかいつもとムードが違いました。

「ここ、ちょっと機械を修復するから、作業はあとにして」

そんな風に店の人に言われ、何事かと思っていたら、何やら見覚えのあるロゴが背中に入ったジャパーを着た作業員風の人がカバンを手にやってきて、慌ただしく台のドアを開けていきました。

「何をやってるんだろう」

気になった私は、隣のシマの上に上がり、天井のガラスを拭きながら様子を観察していました。何やら、リールユニットの下、ホッパー横の電源ボックスのあたりをイジっているようでした。

「何をやっていたんだろう」

その日は、気になって気になって、仕事を終えて部屋に帰っても、なかなか寝付くことができませんでした。

当時、リバティベルⅢは、「11の倍数のゲームで当る」というのが、パチスロ必勝ガイドなどの誌面でしきりに取り上げられていました。てっきり、それに関する「何か」をやってるんだろうと思っていました。しかし、真相はあまりにも意外なものでした。

それから1ヶ月ほど経った頃でしたか。朝、近所のコンビニで入荷したてのパチスロ必勝ガイド最新号を買い求め、馴染みの喫茶店でモーニングのトーストをかじりながらページをぺらぺらとめくっていると、信じがたい情報が飛び込んできました。

「緊急差し込みスクープ!! ユニバーサル系2-2号機に驚愕のセット打法発覚!!」

ワープロで打ってコピーしたかのような文字と、手順を示す雑なイラスト。他のページとは明らかに違う体裁からも、編集部の慌てようが伺えました。

その記事によると、精算ボタンを押しながらコイン1枚掛けで順押し以外の押し順で7をテンパイさせたのちコインを追加投入し、最後のリールに7を狙って777を揃えれば、通常どおりビッグボーナスがスタートする、ということ。

まこと、信じがたいことなのですが、これがのちに伝説として語り継がれることになる「21世紀世界全滅打法」だったのです。

前回のコンチは、雑誌に載るだいぶ前に話を聞いたにもかかわらず都内はもう終わっていたので、「どうせ、もうダメだろう」と、完全なるあきらめモードで、行動範囲内にある設置店の様子を伺いに行きました。

「1枚掛け・変則打ちでの遊技禁止」

だいたいの店には、そんな手書きの但し書きがベタベタと貼られ、にぎわっていたシマには閑古鳥が鳴きまくっていました。

一軒だけ、但し書きの無い店で、記事にあった手順を試してみたんですが。まぁ、対策隅だったんでしょう。ぜんぜん、ダメでしした。

あとで知ったことなんですが、この攻略法の対策は至って簡単なもので、電源ボックスの中の回路の特定箇所にちっちゃな抵抗だかコンデンサーをひとつ追加するだけだったそうです。で、その作業を私はあの夜、現場で目撃したというわけですね。

まぁとにかく。この頃は、あらゆるパチスロ機が裏モノ化し、さらには色んな攻略法が次から次へと発覚して、ほんとにぎやかな時代でした。

誌面に躍った攻略法はただのひとつも実践することはできなかったのですが、その一端を垣間見ることができたのは、ほんといい思い出というか貴重な体験だったと思ってます。

けして楽な仕事ではありませんでしたが、掃除屋のバイトをしてよかったなぁ、と。

そんな感じで、シリーズ「掃除屋は見た」は、今回でおしまい。次回からはまた、パチ&スロの回顧話に戻ります。

それでは…再見!!