遊戯じゃなくて遊技な!
この一週間で何度思ったことでしょうか。ぶっ叩かれ状態のパチンコ業界。そんな報道を目にしている子供たちが、大きくなったらパチンコを打ちたいと思うのか? 残念ながら、答えはNOでしょう。
かく言う私もそうでした。パチンコとは縁のない家庭で育ちましたし(父は私が生まれたのを機に遠ざかったらしい)。当時は一般景品と交換されることが多かったからか、お菓子をたくさん持ったお父さん世代の人がパチンコ屋から出てくるのを見て、その家の子供が羨ましいと幼心に思ったくらいのものです。ほかに良いイメージはありませんでしたね。
暴力団対策法もまだない時代。不良がお金のやり取りをする場所、おっかない場所と思っていました。実際、パチンコを覚えたのは高校を卒業してから。中学では麻雀で校長訓告。高校では後楽園のWINSに入り浸っていた(競馬は武豊ブームでイメージが上がっていた)にも関わらず……です。
前に書いた通り、初めてのパチンコは1990年。『マジックカーペット』(SANKYO)のモーニングV入賞サービスでした。勝てるからと悪友に誘われなかったら一生出会うこともなかったかもしれません。興味津々なお年頃ということもあって、浮いたお金でデジパチなどほかのジャンルにもすぐに手を出しました。しかし「パチンコ屋は怖い人、ロクでもない人が集うところ」そのレッテルは剥がせずにおりました。
そんな偏見を変えたのが、初めて見る新装で入った最新台『サイクロン』(平和)という一発台での出来事です。一発台といっても権利モノに近くて特殊なのかな。いずれにせよ、デジパチしか知らない世代の方からは、ピタゴラ装置のように感じられるかも。言葉では分かりにくいと思いますので、最後にYouTubeを貼っておきます。
『サイクロン』はクルーンの先にスタートチャッカーがあり、入ると2桁のデジタルが回ります。33か77となれば大当たり。盤面上部の左右にある電動チューリップが一定時間だけ開放します。左上のチューリップに玉を入れると、右下の「玉が入らないようにされている」チューリップが開放。右打ちすると、それをクッションにしてオープンチャッカーへのルートができ、アタッカーが開いてくれます。その右打ちで定量玉数まで出れば打ち止めに。私のところは定量4000発でした。なんやかやで4200発くらいになりましたけど。
ゴチャゴチャ書きましたが「デジタルを当てる→左上のチューリップに入れる→右打ちする」覚えるのはこれだけです。しかし、左上のチューリップに入れるのが初心者にとっては鬼門。チューリップは右上にもありますからね。
新装の熱が冷めて私のような初心者でも座れるようになり初めてのトライ。2000円程度だったでしょうか。初めての大当たりを迎えます。細かい観察眼もない初心者です。多くの人がやっている行動を真似して右打ちに。
「兄ちゃん、それダメだ。左に戻せっ!」2台隣を打っていたオッチャンが飛んできます。チューリップ開放タイムに間に合わず権利失効してしまいましたが。
私がパンクしたところで、オッチャンの懐は痛みません。それなのに、わざわざ教えてくれる。なんて良い人なんだろう。パチンコ屋って、怖い人や悪い人ばかりではないんだ。そう思えた瞬間でした。この経験がなければ。ゲラゲラと馬鹿にされでもしていたら。モーニングのV入賞サービスを恵んでもらうだけで終わっていたかもしれませんね。
あのときオッチャンが救ってくれたのは間に合わなかった目の前の大当たりではなく、パチンコと私との関わりそのものだった。いまはそう思います。これがなければ、パチスロとも出会っていなかったことでしょう。
この動画は連続リーチから当たっていますが、ハズレ目のループというドツボパターンがありました。簡単に言えば地獄ゾーン。それ以外の状態からしか当たらなかった……と、当時の雑誌で読んだ記憶があります。少なくとも、リーチがかかっていれば通常抽選ゾーン。
そんなのもありますが、実質デジタル確率は1/50。ほかの3つ穴クルーンさえ通ればOKという機種では1発もクルーンに乗らない退屈な展開も多くなります。適度にクルーンにも乗ってくれて何かが起きる可能性もあるのは、初心者にとって魅力的でした。
また、最高は半日で22回当たってくれるなど連チャン性もかなりのもの。貯留は4つありましたが点けると怖い。大当たり中も保留を消化するので、そこでまた当たってしまうことも。なるべく貯留させないように打っていましたね。痛い目に遭って学びながら(笑)。
当時はボーダー理論なんて知りませんでしたが「これくらい回らないとダメ」というのが素人目にも分かりやすかったのも特徴でした。このホールは40玉交換でしたが、33玉交換のボッタ店に行ったら絶望しましたもん。『サイクロン』にハマったのは、我ながら良いチョイスだったと思ったり。
以上、当時素人だった微妙な知識での解説でした。間違っていたらゴメンナサイ。
プロにとって見れば遊技なのでしょう。でも一般のお客がひねったり、止め打ちしたり、出来ないと思います。そういうお客にとって見れば遊戯なんですよね。
>匿名さん
うーむ。書きたくなった感想がその序文でしたか。私もまだまだ精進が足りませんな。
いろんなプレイヤーが勝つためにいろんな工夫を技としてやれる余地を残してるスロやパチ。遊技であることは欠かせない要素ですね。
少しずつでも理解を進ませていきたいですね、プレイヤーの一人としては諦めたくないところです。
>ステリレ 狙いさん
いろいろな工夫をいろいろな人と競い合ったり、ときに初心者さんを引き上げてみたり。社会的な地位とか関係なく、一人の遊技者として楽しめる。こんな社会の縮図でもある環境は諦めきれませんね!
サイクロンといえば四次元サイクル打法ですよね!?
薄い記憶ですが当時のパチ雑誌で何度も見かけました
あれは波を読む系のインチキ攻略法だったのかなぁ…
クッソどうでもいい話なんすけど、10年ほど前に近所のコロッケ屋(コロッケコロちゃんとかいう駅前の屋台)の主人がよくパチ攻略法を購入してました
カミさん曰く、何度もガセ攻略法に引っかかり500万円ほど損してたとの事
ある日を境に突如そのコロッケ屋が消えた
数日後、テレビのニュースで「コロッケコロちゃんチェーンが腐った材料を使ってた」と報道
おれは長年腐ったコロッケを食ってたから腐った人間になっちまったんだと思う
>田中さん
おそらく、このときに初めてパチンコ雑誌も知ったのかなあ。ループするハズレ目が全部載っていたんですが、多くありすぎて面倒と思ってしまう。貪欲とはほど遠かった若き日です。
攻略法詐欺があった時代は、それだけ遊技人口が多かったと懐かしくも思えたり(とおいめ)。昔は、傷んだ食材の事件も多かったですね。私は弱いんですが、妻は多少の賞味期限切れは構わず食べてます。そうか、それでか(笑)。