ホールさんの評価とも言える中古機の価格を見ると、6号機でもジャグ系が無双状態となっています。6号機の『アイムジャグラーEX』が発表された頃は、中リールの赤7が1個しかないことをとやかく言われたりもしました。あれは仕方ない理由でそうなっているのです。

5号機と併設されていたというかコロナ前にも書いたんですけどね。自分でもどこに書いたか探すのが面倒なので改めて。チラっと見たら、悠遊道ではこれをテーマに書いていなかったもので(笑)。

 

 

 

○ボーナスの“組み合わせ”という概念

大昔から遡って経緯を書いていくとクソ長くなりますので、6号機目線にしたいと思います。まずは、その問題の『アイムジャグラー』系のリール配列を見てみましょう。

BIGとなる赤7を数えてみましょう。左リールに2つ。中リールに1つ。右リールに1つとなっています。有効ライン数を無視すると、赤7揃いの形は「左リール2種類×中リール1種類×右リール1種類=2パターン」となりますね。

しかーし、BIGは赤7揃いだけではありません。「赤7・赤7・BAR」揃いのRBも内部的にはBIGとなっています。同様に数えてみると「2×1×1=2パターン」に。赤7揃いと「赤7・赤7・BAR」揃いを合計すると「2パターン+2パターン=4パターン」です。分かりにくい? なら、こちらはどうでしょう。

赤7BIGは「1×1×1=1パターン」、ドンBIGは「4×1×1=4パターン」。まとめると「1+4=5パターン」となりますよね。それと同じことです。『ドンちゃん2』のボーナスにはBAR揃いと「赤7・赤7・BAR」もあるじゃない? と、思われるかもしれませんが、それは最後に解説します。

種類とかパターンとか、使い慣れていない書き方をすると疲れますね(笑)。遊技機規則では“通り”と書いています。『アイムジャグラーEX』のボーナスは合計4通り。『ドンちゃん2』のBIGは合計5通りということになりますね。

 

 

 

○許される“組み合わせ”の数

遊技機規則では、許されるBIGの組み合わせ数も決められています。許されるのは「すべての出目の1/1500」。21コマリールですと総出目数は9261通り。そのうち1/1500ですから、6通りまで許されることになります。

6号機の『アイムジャグラーEX』は「赤7・赤7・BAR」揃いもBIGなので、中リールの赤7を2つにしてしまうと「2×2×1=4通り」が2種類で合計8通りということに。これでは型式試験に適合しません。門前払いです。なので「赤7・赤7・BAR」揃いをBIGとするならば、組み合わせを抑えるためにも左リールか中リールの赤7を1つにしなければならないのです。

そうは言っても、5号機の時は2つあったじゃない?

はい、その通りです。5号機の「赤7・赤7・BAR」揃いはBIGではなく、2種BBという別ボーナスとなっていました。RBを消化する際に左リールが最大1コマスベリとなっていましたよね。そんなリール制御が変わる特殊ボーナスです。

なら、6号機のRBも2種BBにすれば良かったんじゃないの?

2種BBを搭載すると、BIGの払い出し枚数を抑えた仕様としなければなりません。5号機時代は下げられると言っても360枚まで許されたので、それなりの枚数は出せました。また、ボーナス枚数が多過ぎないので、ボーナス確率も高められて、むしろ“望むところ”となっていました。ちなみに、360枚以下のBIGしか搭載していない機種は、BIGの組み合わせを最大12通りまでとすることもできます。

しかし、6号機で2種BBを搭載すると、BIGを225枚払い出しタイプにしなければなりません。払い出し枚数なので、純増では200枚を切ってしまうことでしょう。BIGの純増が減っても250枚辺りにはしたい。そう考えると、2種BBは搭載できないのです。つまり、このような玉突き衝突の図式となります。

 

BIGの純増は250枚くらい欲しい

2種BBを搭載できない

RBも1種BB(BIG扱い)にする

中リールの赤7を減らさざるを得ない

北電子の社内会議もこのような流れだったと想像します(笑)。

 

 

 

○中リールの赤7を2つにする方法

ただ、BIGの純増を250枚前後にしつつ、中リールの赤7を2つにする方法もないわけではありません。「赤7・赤7・BAR」揃いをBIGにしてもいけない、2種BBにしてもいけない。ならば、さらに別のボーナスにすれば良いのです。そこで出てくるのが『ドンちゃん2』です。

上でも書いたように、BIGの組み合わせは、赤7揃いが1のドンちゃん揃いが4で合計5通り。ボーナスはそれ以外に「赤7・赤7・BAR」揃いとBAR揃いがありますね。

このボーナスの説明文をよく読んでみましょう。何枚の払い出しで終了とはなっておらず「12Gもしくは8回の入賞で終了」となっています。これは正真正銘のREGの特徴です。ゲーム数や入賞回数が違っていても、このような書き方であればREG確定。BIGでも2種BBでもなくREGなのです。REGも組み合わせの上限はありますが、BIGとは別カウントとなります。「赤7・赤7・BAR」揃いとBAR揃いもBIGだったら、合計8通りとなってアウトですもんね。

ということで。『アイムジャグラーEX』も「赤7・赤7・BAR」が本物のREGであれば、今のスペックでも中リールの赤7を2つにできたかと思います。なぜそうしなかったかは、私のような凡人には分かりませぬ。開発陣という神々がさまざまなことを深く考えてのことだと思います。

「中リールの赤7は1つで十分」と北電子が考えたからとも推測できますね。5号機でも『マイジャグラー』や『ゴーゴージャグラー』などなど。中リールの赤7が1つなのも珍しくはありません。それらの人気が低すぎたら、2 つ配置したんでしょうけど。