最近「神天才バカボン」に着座する率が高まってきた。

リリース当初はほとんど触らず。そっから最近まで「高須クリニック」と「エヴァ」ばっか打っており体感としては初打ちに近い。でも打ってみるとなかなかどうして面白い。この面白さってどこから来るんだろう。と考えた結果、単純に俺が「バカボン」の事が好きなのだなと納得した。原作もだけども、むしろ2000年に登場した初代『CR天才バカボン』の方だ。

CR天才バカボン。

もはや四半世紀に近くなるレベルで大昔の台だから知らん人も多いはずなのだけども、こちら悠遊道さんの読者さんのなかでは多分認知率100%に近いんじゃなかろうか。確変突入・継続率50%の縛りの時期に出た名機だ。スペックが面白くなかったので当時の規則下で出た機種にはそこまで名機と呼べる機種は多くなさそうだけども、多分当時生まれて今まで続いてるシリーズの中で出色なのは、この「CR天才バカボン」および「必殺仕事人」、あと「CRピンクレディ」から続く歌パチらんじゃないかと思う。

当時の機種の特徴として、兎に角「スペックが全部同じ」というのがあるので、メーカーとしてはそれ以外のギミックで勝負せざるをえない。奇しくも当時は液晶の大型化と高性能化を始め、音質の向上と半導体の処理能力向上なんかも並走しており、それと「スペックで勝負できねぇ」という時代背景が合致した結果、2~3年程度の間に演出面というのがめちゃくちゃパワーアップしたんじゃあないかと推察。推察ってか実際そうなんだけども、例えば上に挙げた3機種はそれぞれ別の方向を向いている。

バカボンは液晶演出の面白さ。仕事人は震えるハンドル。ピンクレディは曲。

演出とギミックと音。当時の極北にいたのがそれぞれの当該機種であったわけで、この「ウリ」のルートというのは現在も実はそんなに変わってなく。もちろんそれにプラスして「スペック・システム」というルートは追加されているものの、基本的には全然変わらない。ある意味でパチンコの進化の流れを「派手こそ正義」「目立てば勝ち」にフィックスしてしまったのがこの時期なんじゃろう。適当にいっとるだけで違ったらスマン。

が、その説に乗るとするなら、あくまでそれって「スペックが画一的だった」という理由により発生した進化の方向であって、負のバイアスを跳ね除ける手段だったはず。ゲーム性が面白くてそれだけで売れるなら、別に高価なギミックを搭載する必要もないわけで。どっこい、ゲーム性を封じられると、外見(演出含む)の派手さで勝負するしかなくなっちゃう。んで一回そういう事態になると、外見競争で負けちゃうから幾ら内容が面白くてももう元には戻せない。

この辺はインコに似てる。

森の中で進化してきたインコは地味な色だと背景と同化しちゃってメスに見つけてもらえないからどんどん派手な色に進化してきた。今はインコは愛玩用に世界に輸出されてて勝手に野生化しとるが、砂漠地帯や平野で世代を重ねても奴らは派手なままである。目立ちすぎるから当然適正野鳥に狩られるゆえ生きづらかろうと思うけど、当のインコは知らずにぴゅぴゅぴゅいと鳴いて鳥生を謳歌しておる。自分らの無駄な派手さに気づいておらぬのだ。

んで「神天才バカボン」のハンドルを握りつつ、左上にそりたつ白いウナギイヌの部材を見上げたとき、俺は「こいつも砂漠のインコだな」と思った次第。演出に懐かしい部分はあるしキャラも懐かしい。ツボれば凄い出る。控えめに言ってとても好きな台だけど、このツノだけは今風になっちゃってて余計だなと思った。