もしも安田一彦とホールが被ったら。ライバルだったら。
そんなテーマではございますが、あいにくボクはこれまでの人生で「ライバル」という感覚を覚えた事がありません。
勿論、比較対象となるような人は常にいました。学生時代の勉強、部活は勿論、仕事をするようになってからの優劣、そしてパチンカー・スロッターとしての優劣。
当然比較はします。けれども、猛烈にこの人に勝ちたい、負けたくない、なんて思ったことはなく、その前にまずは自分、という感覚で生きてきました。……まぁ、学生時代はもっと適当ですけどね。でも、大人になってパチプロで生計を立てるようになってから、自分なりのパチンコ道を突き詰めてきた自負はあるし、やり切ったからこそ見える景色もあります。
自分のやれる事、出来ない事、それでもやりたい事、そんな事ばかり考えてきた人間なので「もしも安田一彦がライバルだったら」なんてお題は肌感覚として全くありません。
なので、ライバルとはまた違う、でも安田一彦という存在を一番身近に感じた現場での一日を書かせて頂きます。
2015年。
上記画像のような企画が、パチンコ必勝ガイドの安田さん担当ページでありました。
なんか、当時はあまり意識してませんでしたが、ボク以外の11人のランナップがエグイ。なんでボクがここにいるの?ってラインナップですが、そんな話はさておきます。
この企画は
・実戦者の指定した日の朝から安田さんが1日密着してその稼働内容を詳細にレポートする
という企画です。
つまり、予めオファーを受けた後、「この日、このお店に来てください」って自分から指定して実践する形です。
ちょっと想像して欲しいんです。
パチプロなら当然、毎日ある程度のアテがあってホールへ向かいます。
今日は特定日だから、コーナーが空く日だから、平常釘でも打てるから等々、目算を立てて実際に見て、打って、という確認作業を現場でします。
けれども、平常釘以外でアテのある日というのは、お店がアケる日なわけですから、当然それを狙うライバルは多いし、抽選の結果、座りたい台に座れないなんてこともある。そして、アケの状況も所詮はホールの胸先三寸。
蓋を開けてみた結果、今日はハズレだね、なんて日は山ほどあるわけです。
普段の稼働なら、それはもう仕方ない、二の矢、三の矢を見に行きましょうかね、と。なんならアテがスカったから今日は店回りすっか、と自由気ままに立ち回れます。
でも、取材となればそんな多方面に移動するわけにもいきません。
じゃあ平常釘で打てるお店に来てくれって?
いやいや、そんな保険のように確保している台をその日に指定して、安田一彦がおる、何やらメモったり時折話しかけられたり、何なら写真を撮られたり。そんな目立った行動をとって得することなど1ミリもないわけです。
リスキー、超リスキーそんな選択。
つまり、
「こちらが指定して良い」=「指定するからには絶対に外せない」
のに絶対外さない台は使えない(使いたくない)。
何このプレッシャー。何このジレンマ。
まして、あの安田一彦がボクの一挙手一投足を見に来るのよ?
アホかと。バカかと。
そう言いたくなるような、胃がキリキリするような取材日がありました。
ならそんなオファー受けるなよっていうのはごもっとも。
でも、安田さんに認めてもらいたい、が勝ってしまった自分は、当時の手駒をフル回転させ、その日を迎えました。
開店前の朝、ホールの最寄り駅で安田さんと待ち合わせ。
そこで入った喫茶店で、緊張のあまりトレーを運ぶ手がプルプルしちゃって、おもくそコーヒーを零しました。
未だに安田一彦にはその話をネタにされるわけですが、心からこう言いたい。
ふざけんなよwと。どんなけこっちが緊張すると思ってんねんwと。
そう言うと
「いや、俺は今までテレビとかで散々そんな修羅場をくぐってきたからね」
とかぬかしやがるんですよ。
もうね、もう……それ言われたらゴメンナサイしか言えないじゃん?ズルイじゃん?
でもそんなレジェンドだからこそ受けた取材日。幸いにもその当時自分が持っているものは出し切れて、期待時給3000円くらいの台を打てました。
ただ、その時……。
ナナメ後方で戦国乙女をのほほんと打ちながら、要所要所でじーーーっとこちらに視線を向ける安田一彦。
(もー!そらここ見るよね!ああ、もうガラス越しに見てるのこっちも見えてるから!安田一彦の視線めっちゃ気になるから止め打ちミスるよ!)
という心の葛藤が何度あったか。
そんな自分の集中力の無さと戦いつつ、それでも「安田を意識すんな!自分と戦え!」と言い聞かせて、真っすぐパチンコと向き合った12時間。
あの日が、ボクにとっては一番「安田一彦がライバル」だった時間でした。
ボクにとって恩人であり、殿上人である安田さんが、パチプロとしてリアルにライバルになるなど考えられません。
パチプロとしての生い立ちで言えば、生まれてきた時代が違うし、過ごしてきた過程も違います。だから、スタンスとして相容れない部分もあります。
でも、もしも安田さんと同じ時代に生き、同じ現場にいたとしても、ボクは安田さんをライバル視しないでしょう。
あくまでも、自分とは関わりのない1パチプロとして。そして数多いるその他のパチプロと同列に、現場で生き死にをかけて椅子取りゲームをするのみ。
それ以外は、ただただ自分と戦うのみです。
それが、安田さんの背中を追いかけた(つもりの)、ボクなりのパチプロ道だし、安田イズムだと思っています。
■万回転 プロフィール
- 1978年生まれ ♂
- 累計15年間パチプロしちゃってごめんなさい
- CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
- 色々あって完全にパチプロを引退。
- 現在は悠遊道動画チャンネルの何でも屋
■レトロパチンコマップ
下記地図にないレトロパチンコを打てる場所をご存じの方、地図完成のために情報提供のご協力何卒宜しくお願い致します。
田山幸憲、石橋達也、安田一彦の三人は雲上人。
末井昭初めガイド関係の諸兄も同様。
同じホールにいたら意識しまくりでしょう。(“諸兄”の顔は知らない或いは忘れたが…)
“三人”に「パチンコとは?」を必勝ガイドを通して学んだ私は今、“ヨースケ万回転in悠遊道”に「己のパチンコその後とは?」を学んでいるのです。
タンポポ辺りでもし出会えたら、万さんを目の前にして、緊張で顔を真っ赤にしながら理由のわからない事を話している自分が容易に想像出来ます😃。
その時はやさしくしてね!😉
「安田プロのパチプロ最前線」載せるフォトは2014年の年収が記載されたヤツな気がしないでもないですが、良い記事でしたのでファイルスクラップしております。
印象深い記事を抜粋させて頂きます。
「一発勝負だし、企画に慣れてない巷のプロには気の毒かな」と心配したのだが、表情、姿勢ともにブレは無し。むしろ、顔つきに真剣さが増しているほどで、普段からの勝負に挑む精神面を垣間見た思い。これは特に上手くいかぬ時に投げやりになりがちな、アマチュアの打ち手に学んでほしい点だ。いい顔してんだよ!
人生とは己の才をどこまで伸ばせるか、ということだと思っている私にとって、ライバルは自分という感覚、非常にわかりみです。
「六十の手習い」という言葉があるように、確実に衰えたであろう歳になってからも習う。日本一、世界一を目指すわけでもなく死ぬまで習う。
こんな日本の文化が大好きです。
だから、こうしたものには「道」が付く。茶道・書道・剣道・合気道etc……。
あ、悠遊道も「道」が付くね!
「五十の手習いで悠遊道、始めました」
なんて発言をしてみたい私のためにも、日本の文化としての「ぱちんこ」の追求・追及・追究を期待していますよ!
将来的には茶道よろしく
A「おや、アナタも悠遊道されてるんですか。流派は?」
B「私は表万家(おもてまんけ)です。」
A「そうでらっしゃいますか。私は裏万家(うらまんけ)なんですよ。」
なんて会話が聞こえる日本にだな………ww
そんなこともありましたねえ。
まっ、良いパチンコをした一日を誌面で伝えられたので、取材する側からしたら(^^)bでしたよ。
>>ギルBさん
「己のパチンコその後とは?」がまさかこうなるとは全く想像してなかったんですけどねぇ。
でも、パチプーしてた頃、多くの知り合いが「勝ちにいかないパチ・スロなんてやらない」って言ってた中、金より好きを優先する時があった人間でしたから。
もしお会い出来たら是非ともお声がけ下さいね!お礼を伝えさせて下さい。
>>じゃじゃさん
めっちゃいいとこを抜粋ありがとうございますw
そして、年を間違えているのは、多分ガイドの発売(年明け)をそのまま書いちまったやつかと…。やっちまってるぅw
>>禅寺丸さん
>日本の文化としての「ぱちんこ」の追求・追及・追究を期待していますよ!
文化と言い切るには黒い歴史が多すぎるこの業界ですが、それも含めて人間の営み。
大仰なキャッチコピーなんていらないから、今後もありのままを映していきたいと思っております。
あと…ホント禅寺丸さんは博識ですよね。言葉遣いの一つ一つが勉強になります。
>>御大
見られると思って書いてないので、割と真面目に返答に困るのでコメントしないでくださいwww