Aさんは、いたって平凡な家庭で生まれました。小学生の時は、運動が好きでかけっこが得意。負けず嫌いでもありました。ジャンケンでも、負けるのがイヤ。なのでどうしたら勝てるか考えました。
最初はグー、ジャンケンポン! ジャンケンは必ず、最初にグーから始まる。その後、パー、チョキを出す人は多く、続けてグーを出す人が少ない傾向があることを掴み、さらにチョキよりパーを出す人が多い傾向を掴みました。なのでチョキを出せば勝ちやすいことを掴みました。
チョキであいこになれば、次にパーを出す人が多いことを掴み、チョキであいこになればチョキを続ける方が勝ちやすいことを掴みました。実際、こう考えて実施し勝つことが増えたことで、ますます勝負事が好きになりました。
テーブルゲーム的遊びの延長で将棋はルール含め難しく感じましたが、五目並べやオセロはルールが簡単だったこともあり、のめりこんで中学校ではクラス内ではほぼ連戦連勝となりました。
高校ではバスケットボール部に入り、最後のインターハイも1回戦敗退でしたが充実していました。特に相手チームを研究し、相手の長所を消すための動きなど、バスケットボールの奥の深さも好きでした。
その後、大学生になり、友人から麻雀に誘われました。麻雀は賭けるのが当たり前と教わりました。ただ、勝っても負けても友人相手では気分がイマイチに感じ、麻雀を強くなろうとは思いませんでした。
競馬にも誘われました。初めて行った競馬場。足元にハズれ券が散乱し、身なりの汚いオヤジ連中が多く、自分はこんな所には合わない感覚を持ちました。ただ、購入した競馬新聞にいろんな情報が載っており、友人からも馬の特性、最近の調子、血統など書かれてる、いろんな情報の意味を教わり、それらの情報からどの馬が勝ちそうなのか予想するのは楽しく感じました。
そして実際に馬券を購入する直前、オッズなるものを見てこう思いました。
「こりゃ、胴元が勝つようにできてるな。こんなオッズでは参加者が相当に不利だな。」オッズの数字を見てそう悟り、競馬にのめり込むことはありませんでした。
その後総合商社に就職し、アメリカ勤務となりました。勤務地はカリフォルニア州。この州はスポーツベット(スポーツ競技の勝敗などを予想し賭ける行為)は違法とされていました。なので、休日はカジノ施設のポーカー会場へ足を運こぶようになりました。
会場は多くの老若男女で賑わい、合法ゆえの低レートでの賭けが行われました。その日も、低レートゆえの勝負に少し物足りなさを感じつつポーカーをしていました。
したら、髪をオールバックにした紳士が近づき、こう耳打ちしてきました。
「ミスターはスタイルがいいが、スポーツマン?」に、少し考え「バスケットボールを少々。」に、「グッド! NBA(アメリカバスケットボールプロリーグ)に関する賭けをやらないか?」に逡巡してると「こちらへどうぞ。」と手招きされる。
手招きされた先はいわゆるVIPルーム。美しい女性が「ミスター、これはサービスです」、と目の前に高価そうなシャンパンを。そして真横に座り直し密着してきてメニュー冊子を。そこには明日行われるRチーム対Cチームの勝敗から、点差毎の配当金、はたまた選手毎の得点予想、からアシスト数予想から、もしピッタリ当たれば先ほどのポーカーとは比べ物にならない桁違いの配当金がそこには記されていました。
もともとバスケットボール経験者でもあり、NBAは大好きで贔屓がRチーム。ただ強豪Rチームが勝ちに予想しても低い配当金。それが20点差以上で勝つ、ならかなりの配当。少し迷ってると先ほどの美しい女性が、最初はこれくらいから確実に、と5点差以上の所に指を指す。うーん、なら少し大きめベットを、と考え1000ドルを賭ける。もちろん、ココはVIPルームであるという見栄も働く。
そして受け取った封書内に送金先の金融機関や口座が。支払い期限は2週間。
そして翌日の仕事中、上司に商談外出の許可を貰い、スマホ内でのR対Cの試合に手に汗握り、第4クォーターに入るともう顔真っ赤。見事11点差でRが勝つ。ドバーと流れ出るドーパミン。翌日に確認した自己口座の入金2800ドルの印字にニンマリ。そしてスマホには次の試合の案内が。しかも、ミスターはVIP会員となり無制限信用貸しの権利を保有とのこと。で、もうひとつの特典としてNBA各チームの裏情報なるものも。
もう、こうなると止められない。仕事中でも試合の結果が気になってしょうがなくなる。で、裏情報から決めた賭けは見事にハズれる。しかし、支払い期限の2週間以内にその負債金を帳消しにするプランや一気に捲れるお勧めプランが数種類提示。もちろん賭ける。そしてハズれる。
そして一気に捲れるプランに賭ける。そしてハズれる。そしてこんな案内が。そこには、商社保有財産の引き出し方が。しかも具体的に財務部長の名前や本人確認時用に部長の奥さんの旧姓やセキュリティコードも、送金先の金融機関の指定担当者名も添えて。もう顔は真っ赤。
そして到底敵う相手ではない、と怖くなり、どうにか思い留まったAさん。商社を退社しパチンコが趣味の一サラリーマンとなりました。
麻雀は賭けなくても人それぞれの心理が読める、面白いゲームですよ。
上級者は初心者には負けてあげる(勝たせて楽しさを感じてもらう)、そんな卓を囲んで、夜な夜な楽しんで居りました。
人生で一度だけ四カンツをテンパイしたことがあります。
残り9巡。普通なら他家はオリるはずなのですが、全員危険牌をブンブン打ってきます。理由は一つ。
負けてもいい。四カンツのアガリを見てみたい!
結果流局でしたが、そんな麻雀も楽しうございました。
因みに待ち牌の白は、1枚先に切られ、2枚はリャンシャン埋もれてましたw
禅寺丸さん、コメントありがとうございます。
別に賭けなくてもテーブルゲーム、TVゲームなどは気軽な遊びとして。また、麻雀コンテンツのパチンコも多いですね。
「リーチだからな」「あんた、背中が煤けてるぜ」
競馬を突き詰めると勝てるみたいですけどね。数式化した人はすごいなと思いました。
麻雀は強い弱いありますけど、運やツキも多々あるので、個人的にはパチンコに近い感じがします。
賭け事ベースのパチンコ・パチスロって結構多いですよね。麻雀、競馬が特に多いでしょうか。
白いシローさん、コメントありがとうございます。
そう言えば、競輪は勝てると豪語してた知人、勝って返せばいいとばかり会社のお金拝借し・・何故か大金つぎ込んだ時に限ってハズし、取り戻さねばならんからさらに大きく賭け・・その後の顛末は想像できるかと思います。
麻雀、競馬モチーフのパチンコ多いですね。他には、カジノ、トランプ、ボートレース、花札なども。