「ふぁ~ よー寝た」
ん? もう朝か 「フィーバー パワフル!」 の声が目覚まし代わりや。
にしても、開店待ちのお客も少ななった。 昔は日曜開店前なんか、とぐろ巻いてひしめき合うとったもんや。
「♪ダダン ダダン ダダン 」 (F1のテーマソング)
お客、パラパラや。 殆どがスロ島へ行き、こっちには誰も来ん・・・いや、一人来た。
1台1台釘見とる。 あー見覚えある。 帽子プロやな、懐かしい顔や。
しかし、やっぱり向こう行った。 この釘やったら、そうなるわな。
どの店行っとったんか知らんが、また当分ここには来んやろな、いや、そーでもないか。
やっとお客座ったんは、開店1時間後か、いつものキョロオヤジやな。
打っとる台より、左右をキョロキョロしとる時間の方が長いんで付けたあだ名や。
まあ、ベタやな。 でも、あだ名なんかベタでえーけどな。
次に来たんは、かざしオバはんか。
そう、魚出ろ! とリーチかかる毎に、手を右から左へかざしよる。 まあ、可愛いもんや。
この辺の客は皆海モードや。
いろんなモード付けようが、関係なしやな。
次に来たんは、夫婦連れか。
昔は、夫婦連れもぎょーさんおったが、今はこのペアだけになってしもたな。
だんなが熱心に、保留4個点いたら手え離せ、言うとったし、やっぱそれくらいのことはしとらんと、金続かへんわな。
そー言えば、あの夫婦プロはどうしとるやろな。
最初はだんなが教え役やったけど、オバはんの覚えが良い上ヒキも強く、いっつも積んどったんはオバはんの方やったし、だんなが 「もーえーやろ」 言うても 「もうちょっと」 とまだまだ粘る気満々やった。
家のことはえーんか?とこっちが心配したもんや。
2人分やったから、毎日けっこうなアガりやったけど、1年前にプッツリ来んようになった。
ネグラ変えたんか、足洗ろたんか、よー分からん。
来んよーになった、言うたら、あのヌシも懐かしいの。
開店前から、毎日先頭に並び、常連とデカい声でよーしゃべっとった。
「最後、結局800ハマってドボンや。 魚なんか1回も来ーへん。 アカンなこの店も、全然出しとらんわ」
打っとっても、他人の当たりに 「魚で当たったんか?」 とデカい声出しとった。
毎日毎日、金がよー続くのーと思とったけど、あのヌシもある日プッツリ来んよーになったなぁ。
それにしても、あの頃はドツキオヤジにドツキババアばっかりやったけど、活気はあった。
菩薩のおかげもあるけど、皆素行はよーなったけど、閑散パラパラ、今となっては懐かしいのー。
さあ、向こうのポスターに、 「新台入れ替え 沖海登場!」 とあるし、思た通り、オレらの島に入るようや。
今日は日曜、そうなれば明日が入れ替え日くさい。
最近はいつもやが、閉店も1時間前にはお客誰もおらんようになる。
「バシャン バシャン バシャン」 バイトくんが大海島のガラスを開けだしたか。
電源落とされるまでの命、海の末路なんて、解体がオチやろな。
こうして目を瞑ると、昔の喧騒、賑わいが思い出されるのー。
角刈り ボウズ ロン毛 グラサン カップク 帽子 髭ジー カマキリ ギョロ目
つなぎ お水 ひょうたん そして菩薩バアさん
長いこと遊んでくれて ありがとな。
■じゃじゃ流パチンコ川柳
「あの頃の 荒み感さえ 懐かしい」