直径11ミリのパチンコ玉が打ち手の思いを乗せ、釘師の思惑の絡んだ盤面へと玉は弾き出される・・・
その玉の行方に一喜一憂するのが本来のパチンコの楽しさ・・・
想い出じゃらじゃら・・・
27年たった今でもその思いに変わりはない。

しかし、ここ最近のパチンコといえば随分と自分の思いから、かけ離れた機種ばかりが世に送り出されてはアッという間に姿を消していく・・・

もちろん、自分の思いとかけ離れた現代パチンコが楽しくない!と言う訳でもなく、もともとパチンコ好きなので、やはりちょっとだけは楽しい。

でも答えと先が分っているから長くは楽しめない。

そんなパチンコ事情がここ数年続いてきた様に感じていたけど、ようやくその流れが大きく変わろうとする節目に差し掛かってきたようで。

いわゆるMAX規制が年内にも実施され、今まで主だった機種がこの世から姿を消そうとしている。

ゆきちの耳には色んな機種が今まさに開発されていて、もう暫くすれば新しい機種が世に出てくるとの報せが連日届く・・・

そんな中、今ゆきちが一番注目しているのは10月初旬登場予定の『天下一閃』
昔懐かしのコンビゲージの一発台だ。
機種的にはアナログ上級者向けのパチンコの位置づけになるのかな、一発台と言えばギャンブル性が高いと言われるけど、アナログ系の機種それは店の調整技術と経験で決まると思うのです。

この機会をぜひとも活かして、今一度活気のあった頃のパチンコへと流れを変えていって欲しいと願う一人として、本日は釘師目線で文章を書いてみようと思う。

先ず、この『天下一閃』アナログ系機種の楽しみを最大限に生かす為には、現状のホールには変えなきゃならない部分が沢山ある。

先ずは釘調整
この機種の調整って凄く難しく繊細なのですよ。
先ず、コンビゲージは入賞ルートが複数あるから従来の命釘だけの調整で遊ばせる調整にはできないのです。
通常デジパチの調整って板ゲージと言う道具を使って0.1ミリ(10分の1ミリ)刻みで合わせて行くのが一般的だけど、この1発台の調整は玉ゲージ0.01(100分の1ミリ)刻みの道具を使って調整しなきゃならない。
しかも、これは板と違って調整がすごく繊細。
どれぐらい繊細か?というと
板ゲージは釘傘(釘の頭の真裏)に板を当ててピッチを図るだけだけど、一発台の調整は玉ゲージを当てる位置(釘の根元から釘傘まで奥行がありどの位置に玉をあてるのか?)が重要になる。

更に打ち手がどこを狙ってくるのか?複数の入賞ルートを考慮したうえで100分の1~3ミリ単位の調整が出来ないと、ストローク調整が出来る打ち手側が圧倒的に有利になるのが一発台なのです。

デジパチは板ゲージのみでスタート調整が簡単にできるから、玉ゲージで調整の経験が無い店長さんには天下一閃(アナログ系)の調整はかなり厳しいと思われます。

と、なるとこれからは釘師が絶対に必要な時代になるんですけどね・・・。

少し話は脱線しますが、先日とあるホールで明らかに店の調整ミスを発見したゆきちはストロークを工夫して打っていたのですが・・・

店員『すみません。回りすぎなので辞めてもらえますか?』
ゆきち『はい?』
店員『ココを狙って打ってください。じゃなきゃ変則打ちとみなします!』

通常時右打ち、または台の警告無視などなど、力ずくで回しているのなら店の言い分は分ります。が、釘を見極めた上でベストストロークに合わせて打っていただけですよ。
もう、言葉が出なくて。打ち手の調整範囲まで制限してくる今のパチ屋事情に悲しくなってやめました(笑)

天下一閃、導入するならこういった事の無いように、店側には調整技術の難しさを理解したうえで導入してもらいたいです。

現在ゆきちは釘師としての活動は休業中ですが、釘の仕事依頼が来たら何時でも調整するつもりで道具は手入れしています。が、今の時代釘師は犯罪者になってしまうからなぁ・・・

でも、やはりこの流れを上手く活かすためには、今後、調整者の技術は絶対に必要だし、ゆきちが今まで釘師として教わったことは、これから登場してくるアナログ系機種を調整する方々に役立てる情報は沢山あると思うので、今後もアナログ系機種には釘師目線から何らかの情報を発信していきたいと思う。

次に換金率。

この『天下一閃』をうまく使える交換率は33~(3.03円)以上の低換金店が理想。
やはり入賞してドキドキ感をお客に味わってもらう為にはTS(当たり確率)が約1/12としてTY(大当たり出玉)が4500だから1000円~1500円使って1発は通らないと楽しくない。換金差を付けることで打たせる側にも調整に幅が持てるし、打つ側にとってもバランスが良いと思う。高換金でも使えなくはないけどかなりの調整技術がないと、店は釘を締める事しか考えなくなるからね。先ずはアナログ系機種を使うなら釘を開けれる条件を整えて行くことが大切。

最後に交換条件

パチンコの楽しさの基本は玉を出すこと!換金ギャップは無いと絶対にダメ!
さらに一発台を導入するなら無制限だけは絶対にやっては駄目だね。一発台の理想営業形態は1回交換もしは10000発終了などの定量性、どこかで区切らないと成功は絶対にない。ここで言う成功はお店が利益を出せて尚且つプロもついて一般客もいるという形・・・

そのためには打たす側も沢山努力しなきゃならないし、今までみたいに台を並べてハイどうぞじゃ絶対に成功はないよ、もしそうするなら導入は見送ったほうが良い。

この機種に絶対客を付けるんだ!と言う強い気持ちがないと、アナログ系機種の繁盛店は作れない。

だって、パチンコは本来玉を出しても店が必ず儲かる仕組みだったんだから、アナログ系にお客を付けようと思うなら、まずは玉を出せる条件に戻さないと絶対に上手くは行かない。

これには理由があってアナログ機種を上手く運営するには釘調整にメリハリを付けなくちゃ行けない。そうなると必ずと言って良いほど上級者が参入してくるわけだけど、ここに無制限を導入していると上級者ばかりにお金が回って一般客までお金が回らない。調整者と言うのはお金の流れをコントロールするところに存在意義があるのに、その大切な部分に気が付いていないからアナログ系機種にお客を付けられないお店が随分と増えたと思う。

昔からそうなんだけど、アナログの調整は難しいからこそ釘調整専門の人がいたんだよね、でも今のご時世それは厳しいから、アナログを打たす側はもっともっと調整の研究をしなきゃ駄目だよね。

昔の店長さんに比べると最近の店長さんって、すごく真面目で勉強熱心な方が増えたと感じる。けどね何か足りない・・・いろいろ考えた結果、最近の店長さんってパチンコを打たないって人が圧倒的に多すぎると思うんだよね。
それでも今までは何とかやってこれた、何故ならデジパチは計算と数字合わせ机の上の勉強だけでも何とかなる現実があったから。

少なくとも、これから自分の店でアナログ機種を使ってパチンコを盛り上げようとするなら、調整者自身が身銭を切ってでもパチンコの楽しさを体験してからじゃないと、結局は数字合わせになっちゃうからね。

お店の環境や目標に合わせた調整以外の条件設定ってパチンコの楽しさを理解していないと絶対に上手く行かないよね。

アナログ系でお客を付けたいなら、机の上で勉強よりパチンコ台の前での経験が必要になってくると思う。

例えばパチンコ玉一つとっても玉に刻印があるか無いかでも調整方法は大きく変わるし、島の玉の洗浄システムや稼働率状況によっても入賞率は大きく変わってくる、そんな事はプロなら誰でも知っていることだけど、今の店長さんで理解できている人って殆どいないのが現実じゃないかな、ゆきちが釘師として学んできた経験は書ききれないくらい沢山の事があると思う。

数年前にパチンコの本当の楽しさを体験できる場所を無くしたくない想いから
『えびす会館』ってパチンコ博物館を運営してすごく上手く行っていたんだけど、いろいろあって、閉めなくちゃならなくなった。
でもね、博物館は閉めてしまったけど、やっぱりその時の思いは今でも変わらない。
パチンコが今まさに転換期を迎え、ゆきちが経験してきた事や気が付いた事が何かの役に立って元気だった頃のパチンコの世界に戻れると良いな。

それでは今日はこの辺で。