明らかにゴトと疑えるデータ異常…
ホルコンを毎日見てる店長は何故気付かないのか?疑問で仕方無かった。

中馬さん【とりあえず基盤とハーネスチェックの手配せなアカンのぅ…】

ゆきち【そうですね…僕は店長さんとホルコンで過去のデータを確認しときますわ!】

中馬さん【社長はん!まだ確定や無いけど、とりあえずチェックだけさせて貰って宜しいか?】

壊し屋社長【あっ!ハイハイお願いします…】

集客を考える以前の問題…データがまるで読めていない状況では店も潰れて当然だろう…。

何故そのような事態に陥ったのか、後に理解する事は出来たが、ただこの時はデータ管理も出来ない店長と二代目社長に腹立たしさを感じた。

『何も知らないのはお前のほうやろ!!なにが機械の事知ってるや?ふざけるな!!』と心の中で叫び仕事に取り掛かる事にした…

そこに閉店作業を終えた赤井店長がやって来る…

赤井店長【どうも~♪はじめまして~♪赤井と言いますぅ】

ゆきち【どうもはじめまして…】

ゆきち【早速なんですが、ホルコンを一緒に見て貰いたいんですが】

赤井店長【ハイハ~イ♪良いですよぉ~】

随分とスローテンポ?マイペース?なんとも言えない独特な雰囲気を持つ店長さんだった。

ゆきち【設定配分はどんな感じですか…】

赤井店長【設定ですか?ここ一ヶ月はずーっと1のままですよ(笑)】

ゆきち【1の・・・ほ、放置ですか(汗)】

赤井店長【最近はそれでも赤字になるんですよ(笑)】

ゆきち【設定の変更は全くして無いの?ですか…】

赤井店長【そうですね~♪(笑)前は設定師の人に来て貰ってたんですが…】

赤井店長【社長が勝手にクビにしてしまって…】

ゆきち【何かクビになる理由でも?】

赤井店長【いぇ社長が給料が高いから勿体ない!って言いましてねぇ~(笑)】

赤井店長【釘と違ってスロットは簡単やからお前がやれ!って感じですよ(笑)】

ゆきち【なるほど…】

スロットの設定は、数字を変えるだけとでも思ったのだろうか?駅前立地で流動客の多い店舗ならともかく…地域密着型の形態で、それをやったら終わるに決まってる…

中馬さん【おーい。ゆきちホールに降りて来い…】

中馬さん【やっぱり出てきよったで(笑)】

中馬さん【キンパルから割り込み三つや…】

中馬さん【ビンゴもイカレとるな…】

中馬さん【他のサブ基盤も傷跡ありで怪しいなぁ…】

中馬さん【ちょっと専門の奴連れて来た方がええな…】

壊し屋社長【ホンマどないなっとるねん(怒)】

壊し屋社長【コラ~赤井!!お前は何しとるんじゃ~ボケー!!】

赤井店長【す、すいませ~ん…】

壊し屋社長【全く使えん奴ばっかりやのぅ!!クソがぁ】

異常数値を示している台の殆どから、正規の台には付いている筈の無いブツが次々と出て来た…

この店は既に手遅れ!!と言っても過言では無い状況だった。

日頃からチェックを怠らなければ、必ず発見出来る筈の割り込み、その店のセキュリティ意識の低さに落胆した。

おそらく経営が傾いたのは、その意識の甘さから…。

新規オープンから短期間でこれだけのブツが仕込まれ、今経営が悪化しているのは、その意識の甘さが原因と言っても過言では無いだろう…。

ゴトの痕跡を見ていつも思う事だが、被害者は決してホールでは無い!!

なぜなら被害に遭った金額をファンに請求するからだ…。

ホールがいくら被害者ぶっていても、利益が足りなければ設定を落とし客に負担を求める。お客を大切に思うなら、セキュリティ意識を常に高く維持するのは当然の事なのだが…。

中馬さん【社長どないしまっかぁ?】

中馬さん【割り込みは見た目で解りますけど…】

中馬さん【ロムは一回機械通した方が宜しいで…】

壊し屋社長【うーん………うーん……】

壊し屋社長【あ、赤井どないすんねん?】

赤井店長【見て貰った方がええのと違いますか?】

壊し屋社長【中馬さんそれ見て貰ったらナンボしますんや?】

中馬さん【えっ!値段でっか?】

中馬さん【まぁチェックだけなら10万前後でっせ…】

壊し屋社長【うーん…】

どうやらここの二代目社長は相当ケチらしい、既に何百万円以上抜かれているかも知れ無い状況なのに、この期に及んで10万を出す事に悩む…これぞ守銭奴!?どうやら入って来る金にしか興味は無いようだ。

中馬さんとのやり取りを見ていて、あまりに腹が立ったので更に言うてやる事に(笑)

ゆきち【中馬さん帰りましょう!こんな状況じゃもう無理ですよ…】

ゆきち【ハッキリ言うて客が可哀相ですわ!】

ゆきち【店を立て直す以前の問題ですよ!】

中馬さん【社長はん!お言葉ですけどな、ホンマにこのままやったら店潰れまっせ…】

中馬さん【ワシは先代の社長さんに世話になったし、突然の不幸で急に二代目やらなアカンようになった大変さも解りますけどな…。】

中馬さん【どんな商売でもお客さんあっての我々ですんやで…。】

中馬さん【よう考えてまた連絡下さいな…。】

中馬さん【ワシが出来るんは此処までですわ…。】

壊し屋社長【……】

元々、壊し屋社長はパチンコには関係の無い仕事をしていた。一代でそれを築いた先代社長の息子であったが故に、突然の不幸で急遽その代役を強いられた…

右も左も判らない状況で、その大役を引き受けなければならない状況は不遇に思うが、そんな情が通じるほどパチンコの世界は甘く無い!ここは金と欲にまみれた世界なのだから…。

出来る限りの対処法を赤井店長に伝え店を後にした。

その数日後、赤井店長から緊急の連絡が入る…。

やはりと言うか(笑)

想定通りと言うか…。

ふたたび赤井店長が待つ店へ車を走らせゴト師との戦いが始まる。

次回更新へ続く