「誰が見ても分かるウィークポイント・不満点が残ってしまうのは、どうしても実現させたい部分の副作用」そう前回の最後に書きました。

だから、初見の機種を見て、メイン基板部分でダメだなと思う部分を見つけると嬉しくなっちゃうんですよ。その裏返しとして、開発さんが実現したかったことがあるに違いない。そう期待してしまうのです。うん、演出で合わないと思った機種は、そこで終わってしまうんですが。そうせざるを得ないってことはそんなにないはずなので。

それでも、ごく稀に「これは何をしたかったのか?」と思ってしまう機種もあります。まだまだ修行が足りませんな(何の?)。

5号機でもっともそんな気分にされたのは『サイレントメビウス』でした。岡崎産業から2015年4月に導入されたボーナス+ART機です。1Gあたりの純増は1.3枚と穏やか。私好みのまったり打てそうな台でした。5.5号機になる前。いわゆる旧基準機なので、ARTは何でもありのサブ基板で管理されていました。

 

○周期で定期的にチャンスが来る

ボーナス後はチャンスゾーン(以下、CZ)からスタート。「ねだるな勝ち取れ」のような6択チャレンジが発生して成功すると50Gのゲーム数固定RTに突入します。そう、ざっくり『エウレカ』チックなわけです。

『エウレカ』と違うのは、通常時の作り方。6択チャレンジも失敗したり、発生せずに陥落すると約35Gの(すみません、正確な数値は忘れました)通常ゲームを経て次のCZがやってきます。どこからでも6択チャレンジがない代わりに、チャンスは定期的にやってきます。言い換えれば、ヤメ時も明確。ええ、ちょっと知っていると得をするのも私の好みです。

 

しかし、打ってみると納得できないことがいくつか出てきました。

システムとしては、CZを周期的に訪れさせるためにリプレイ確率の高くないRTを利用しています。RTが終了すると純粋な通常時にしか移行できないので、それをCZとしていたのですね。なので、約35Gの通常ゲームの間にARTの権利を獲得しても、CZまで回さなければARTを発動させることができませんでした。いや、これは良いんです。

どうせ、約35Gは回さねばならない。それならば35G消化の間でポイントを重ねてART抽選をすれば(簡単に言えば『シンデレラブレイド』方式)面白そうじゃないですか。

しかし『サイレントメビウス』のART抽選は主にレア小役からの一発抽選でした。最後の最後まで“そのゲームで当たるかもしれない”という期待はありますが、逆転の一発抽選はボーナスもあります。役割がカブっているんですね。その無駄に回させられる分、ボーナスやART確率に回されていると好意的に受け止めたとしても、周期抽選のほうが面白かったと思うよ! なんてウジウジ考えてしまいました。

 

そして、こりゃイカンと思わされる決定打がやってきました。

REGの後はART抽選の高確率スタートとなりますが、REG→REGの1G連を達成したのです。こりゃART確定だろう。そう思ってみたものの、普通の高確スタートのまま不発で次のCZ終了。喜んだ私は何だったのでしょうか。高確1回を丸々(かどうかは分からないけど)損しただけではありませんか。ARTを簡単に確定させないからボーナス確率を高くできたのかもしれませんよ。でも言わせていただきます。もう何を求めて打てと(笑)。

面白くなりそうな素材だったと思うのです。でも、味付けがまったく私に合いませんでした。ポポンと当たって定期的にチャンスも来る。この部分は好きだっただけに、むうううう。って、今でも覚えてるんだから、やっぱり好きだったのかな。