このコラムがアップされる7月23日は、東京オリンピックの開会式が開催される予定となっています。本当に開催されるのでしょうか。コロナ禍による1年の順延というだけでなく、直前になってからも、パチスロの超高確率モード以上の解任や辞任のラッシュ。前日には開閉会式のディレクターも解任されるなど、様々なことが起きました。

身体検査がしっかりしていないにもほどがある……など、いろいろな感想をお持ちのことかと思います。個人的には、3日前に辞任することとなった小山田圭吾氏のことがモヤモヤするんですね。音楽雑誌のインタビューで過去のいじめ自慢をしていた件です。

 

20年以上いろいろ書かせていただいていますが、過去を穿り返されても炎上するようなものが一切ないつもりでして。自分が強い意見を持っているものほど、逆側の立場の人のことを考えるようにしています。だから、刺激に欠けて知名度が上がらないともいうのですが(笑)。

小山田圭吾氏がしたことや、その方への謝罪の有無などの糾弾は今さらなので。それよりも私がモヤモヤしたのは、雑誌の編集体制ですね。インタビューする編集側にもなりますし、インタビューされる出役側になることもある立場としては、思うところがありすぎます。生放送ではないテレビの発言で炎上する方を見ても思うことです。編集は何を考えていたのか? て。自分の責任感的に、編集の罪も重いです。一応、謝罪はしていましたが。

 

文字なんて、印刷所に送るまでいくらでも直せるわけです。インタビュー記事などは特に、持ちつ持たれつなもの。その人でないと話せないような内容を“自分の雑誌”に掲載していただくわけです。

「どうしても、その部分は生かしで」とか、取材対象者に言われない限り、第三者的な視点で“不用意な発言”があったなら、その部分を世に出さないという選択をすべきなのが、編集という仕事だと思っておりました。垂れ流すだけで良いのなら、編集は要りません。テープ起こしのアルバイトだけで十分です。

少なくとも、自分の媒体をより良いものにするためにお手伝い頂いているわけです。その相手にマイナスイメージを植え付けてしまう内容は、その媒体にとっても得策ではありません。小山田圭吾氏のファンが、自分の雑誌を手に取って読んだときに、どのような表情をするのか。想像力が足りなさすぎたな……と思ったのでした。

 

パチンコホールという場所は、いろいろな考え方を持った人が集う場所です。良かれと思っていることでも、大きなお世話になることもあります。どのような素性か詳しくは分からないまま(特に昔は怪しい人だらけだった)話すことになる場合だってあります。

『人生は、パチンコで教わった』とブラックマヨネーズの吉田敬さんの著書タイトルですが、パチンコホールとは、社会の縮図のようなものではないでしょうか。

モラルや規則なんかクソくらえと自己の利益に走る悪人がいるのも、比率こそ同じではないでしょうが、普通の社会と変わりありませんし。縁のない人から見れば、そのような自己中心的なたちの集まりと一緒くたにされるでしょうが。そんな簡単に割り切れるものではございません。

そんなところで物事を発信したり接客するのは、とても難しいものだと思っています。気を遣う方向が普通よりもいろいろありますからね。メディアに関して私は批評される側なのでさておき、ホールのスタッフさんたち、ものすごく優秀だと改めて思わされます。

年齢層や社会的なステータスなどまちまち。それを相手にしているのですから。本気で、いろいろある接客業の中では上位スキルが求められると思っております。せめて、私は余計な手間をかけないようにしなくちゃ。スタッフさんにも編集さんにも。

 

 

というか、開会式の直前にいろいろありすぎて、前日に改めて書いております。開会式だって前日に慌てて方針を決めることとなったんでしょ。私のコラムも前日に慌てて方向転換でも良いじゃない(笑)。