「何故こういう挙動が嫌いだったんだろう?」と今の私から見て、疑問に思う挙動があります。
皆さん、死にバケという言葉をご存知でしょうか。BIGの直後に引くREGのことです。約20年前、BIGの直後にREGを引いてしまうと、そこからハマるのではないかとヒヤヒヤしたものです。
今時の人からすれば、そんなのオカルトだろとバッサリ切り捨てられる事象だと思います。形はどうあれREGを引けたほうが高設定の可能性は上がるはず。完全確率論ではそちらのほうが正しいです。
では、約20年前の私はオカルト野郎で、確率論を完全に無視していたかというと、それは違います。出玉率も算出して打つ機種を選んでいましたし、リプレイハズシ(BIG中の獲得枚数アップ手順)の引っ張りゲーム数も計算により導き出していました。単に雑誌に書いてあるからと真似をするのではなく、自力で答えを出す。どちらかといえばロジックな人種だったと自負しています。
それなのに、似たような人たちも真顔で“死にバケ”を恐れていたのです。それはどうしてだったのか。改めて考えてみたいと思います。
○ノーマルしかない時代
約20年前。SINの集中はありましたが、それ以外の付加機能はまだなく。パチスロといえば基本的にノーマル機ばかりだった時代です。展開といってもBIGとREGしかありません。BIGとREGの順番やそのタイミングくらいしか“流れ”で語れることがなかったのです。
“流れ”なんて関係ないでしょ。パチスロは設定。1つでも設定が上の可能性が……と、今時の人は考えるでしょう。ええ、私も5号機以降のノーマルであれば、どこでもREGを引けば「高設定の可能性が少し上がった」なんて思います。
しかし、約20年前は今とちょっと違いました。今であれば、設定1ではなく設定3かな? などと淡い期待を持てたりもするでしょう。この当時は、そんな中途半端な設定がほぼなかったかと思います。設定1でも出玉率が100%を超す甘い機械ばかりんです。
“見せ台&高設定台があることの証明”として、ユーザーが判別できる設定(主に設定5or6)はありました。が、基本的に設定1~4までズバリ分からなかった機種も多かったです。そんな機種では設定2や設定4を置く意味がほぼなかったんです。設定判別するユーザーからしてみれば、設定5や6でないこと(設定4以下)は確定できます。じゃあ、設定4なのを信じて粘りますか? 設定5以上でないことは確定しているんですし粘らないでしょう。
そもそも設定1でも利益が出しにくいスペックなんです。そこで中間設定を使ったところで、何の意味もないのです。ユーザーは設定5以上でなければ、設定1と思って立ち回るのですから。
つまり、設定2~4があることにまったく期待をしていないのです。設定5以上は分かります。だから、それ以外は設定1と思っているのです。
○設定1だと思っているから
自分は設定1を打たされている。設定2以上ではない。そう思い込んでいる時に、REGを引いたからといって高設定の可能性がアップしたとは考えられません。何をどう引こうが、自分の台は設定1濃厚と思っているんですから。
だから、メダルという身入りのあるBIGのほうが好ましいんです。BIGの連打のほうが理想なんです。リーチ目が出て、その期待をさせておいてのREG。ほんとガッカリです。
とはいえ。BIG直後のREGの後にハマるとは限りません。それでも“死にバケ”に怯えるのは、BIG直後のREG後にハマったのが印象深く記憶されてしまうからでしょう。身構えている分、ガッカリ感など心の動きとセットとなり心に刻まれやすくなるのもあります。自分が打っている台が設定1だと思っていて、ノーマル機なんですからBIGとREGの順番くらいしか考えることありませんよ。そういうことです(笑)。
これは多くのオカルトと同じ思考ですね。最初に潜在意識などで気にしていて、その通りになった時に印象に残りやすい。そういうことです。
○5号機になって呪縛が解けた理由
5号機以降のノーマルのほうが、死にバケの回数も多いです。しかし、ハマリに怯えることはまったくなくなりました。これには理由があります。
まず、4号機の技術介入機時代とは比べ物にならないほどREGの出現率に設定差が付けられることも多くなったこと。そして、ちょっと打ったくらいではドンピシャで分からない機種が増えて、設定2~4を入れる理由もでき、それを考慮せざるを得なくなったこと。
裏モノなど胡散臭いものも減り。小役補正機能もなくなって、小役の取りこぼしは丸損など理論もしっかり確立し、浸透したこと。あと、機械の寿命が短くなって(初期4号機とか2006年まであった)、物理的に打ち込める時間が減って“流れ”とか理屈で説明できない事象を語れなくなった……なんて理由もありますかねえ。
では、逆に。「私の好きなパチスロの挙動」ですが、これもまんま逆です。REGの直後のBIG。死にバケと思わせておいてのBIGです。メダルがしっかり増えた安心感だけでなく、REG確率もアップして高設定の可能性も高まってくれる。まさに身も心も潤う展開です。これは、昔から好きかな。裏モノでダイナマイトVer.とかREGがカギを握るのもありましたし(笑)。
初めまして。
確かに常に高設定を狙ってますが…
心の中では「低設定だよな~…」みたいな?!
低設定思って打ってるから
どうせならBIGの連チャンの方が…(* >ω<)
理想はBIG-60%REG-40%の割合?!
すごく面白い記事でした
そういや昔、『死にハゲ』というあだ名のスロッカス友人がいたっけ
そいつ20代前半なのにハゲで目が死んでてさ、わざわざ電車に乗って糞ボッタの死地に赴く習性があったんすよ
BIG直後の小役高確率状態でバケ引くと、ボーナス図柄の15枚払出しで損する、というのはあったような気がしますね。でもそれならBIGからBIGでも同じはず。やはり気分的なものでしょうか。
REGが来ると連荘が終わる・・・みたいなオカルトは結構信じられてた気がします。
島娘が大好きだった知人が、よく「死にバケがない仕様だから好き」とか「昔は死にバケに散々泣かされたもんだよ」とか言ってたのを思い出しました。
当時は今ひとつ理解出来てなかったのですが、このコラムで「なるほど!」と腑に落ちました。
私の様にスロットを全く打たない人にも、わかりやすく・面白く読める佐々木さんの記事。毎回楽しみにしております。