基板が爆発した「おもひで」前編
はい皆様ご機嫌麗しゅうっ!今月も謎のパチンコオヤジin東北にしばらくお付き合いくださいませ。
いやーここ最近、避暑地の温泉旅館をお手伝いさせてもらってる都合上、現地では窓さえ開けてたら涼しくて…非常に過ごしやすい夏を満喫させて頂いておりますががが、その旅館から一番近いパチンコ屋まで車で小一時間かかってしまうので、まっったくパチンコ打てない悲劇!もう1ヶ月以上打ってないんじゃないかな?
( ゚Д゚)落ち着いたら思いっきり打つんだ!!
前回のおさらい
さてさて、今回は「おもひで」の続きなので前置きはこの辺にして、本編にいきましょうそうしましょう。
新台のCRブルース・リーを設置の段階で100vに挿して爆破した、元最大手勤務の新人スタッフ。当時の新台定価はだいたい30万円、これが稼働もせずに一発で即死したワケだ。対処に追われたナカムラが、とりあえず明日の検査のための差し替え書類を作って、事務所で仮眠に入ろうかというタイミングで…外と繋がる扉がノックされる。
パチンコ屋の事務所というのは、もれなくデッカイ金庫があって、その中にはそれなりの現金が入っている場所。この店でも週イチで社長が回収に来るシステムの都合上、普通に5000万くらい入ってる事も珍しくない。そんな理由で、扉は分厚くて重い防弾鉄扉なのである。窓も当然ぶっとい鉄格子なので、事務所で作業してると収監気分が味わえるお得仕様。
そんな外扉をノックされて、覗き窓を見ても誰も見えない。何かの間違いか!と思って勢いよく扉を開けると……「ゴツっ!!」と何かに当たって扉が止まる。厚さ7?8センチの鉄扉の角がぶつかったのは……土下座スタイルで頭を突き出していた彼!そう、ブルース・リーを爆破した彼であった。
袈裟斬りチョップ
「あがっ…ぉおぅふっ」と、声にならない声を漏らしながら、土下座スタイルからさらに崩れ落ちるマル○ン君。モロに顔面へ鉄扉の袈裟斬りチョップを喰らった彼は、車に轢かれたカエルのような態勢で動かなくなる。
( ゚Д゚)………。
うわーごめんねーと思うと同時に、さらに厄介事を増やして時間を削ってくるマル○ン君に対して、若干イラッとしたのは紛れもない事実だが、とりあえず助け起こして事務所のソファーへ。
顔面左側のおでこから頭部にかけて、明らかに赤紫色に変わりつつある状態で、血も滲んでいる模様。それでも「店長すいません…」と言いながら半泣き顔。その半泣きは痛いからなのか、ブルース・リー爆破を悔いる半泣きなのか判断に困るところだが、まぁとりあえず今はソファーでおとなしくしとけ。救急箱を持ってきてやり、2人で朝まで事務所で過ごす事に。
冤罪発生!
机でウトウトしていたナカムラが目覚めたのは、検査の2時間前くらい。それもマル○ン君のイビキでという最高のシチュエーション。眠い目をこすりながら騒音の根源を見ると…マル○ン君の顔面がえらいことにっ!寝る前は赤紫だった患部が濃い青紫になって腫れ上がり、その面積も顔の1/4くらいにまで広がってらっしゃる。
すぐに病院に行けと1万円を渡すが、本人は断固拒否!このまま勉強のために所轄検査に立ち会って、そのまま調整も手伝いたいらしい。その意気は買うが…ん?あれ?それならボクが渡した1万円は返って来ないのか?
そして迎えた検査1時間前、他のスタッフも装飾やら清掃のために出勤してくる。もう昨日のうちにマル○ン君がやらかしたという話は浸透しており、その話題がチラチラ聞こえる中に「おはよー!」と言いながら登場するナカムラ……の後ろから出てくる、豪快に顔面を青紫に染めたマル○ン君。シーーーーンと静まり返る他スタッフ達の異様な雰囲気に、最初は「?」となっていたナカムラだが、1分ほどで理解した。そう、これはナカムラがマル○ン君をボコボコにしたと思われてる!
( ゚Д゚)いやいやいや!違うからね!違うのよ!
あらましを説明して、新台を爆破した上にさらに迷惑かけに戻ってきた傾奇者としてマル○ン君はめっちゃ笑われて終了。笑われた方が気が楽なんだよね、こういう時って。
無事に検査終了と思いきや!
マル○ン君を含むスタッフは作業に入り、ナカムラは下調整に取り掛かる。そうこうしてるうちに検査時間になって所轄ポリスメンがやって来る。スタッフはホールの事務所前で待機して、ナカムラはブルース・リー死亡の件を伝えて書類差し替えの話を通し、機械番号の確認やらと「いつも通り」の検査を遂行して無事終了。
( ゚Д゚)「あざっしたー!」
後は事務所前を通って出ていくポリスメンを見送り、昼過ぎに承認の紙をもらいに行くだけである。と・こ・ろ・がっ!
検査を終えた所轄ポリスメンの帰り際、事務所横に立つマル○ン君の異変に気付いて「そのケガどうしたの?大丈夫?」と
問いかけると、彼は
(マ・o・)「僕が悪いんです…あの新台を壊してしまったので…」
とお答えになったのだが、ちょっと待て、その言い方は大いなる誤解を生むぞ!明らかに「店長に殴られた」と容易に推測されるヤツ!
マル○ン君のその言葉を聞いた、いつも和気あいあいとしてる所轄ポリスメンが警察官の顔に戻り、回れ右してナカムラの元に戻ってくるではあーーりませんかっ!
逮捕!?
ポリスメン曰く「会社の中の事に口出す気はないけど、あれはいくらなんでもやり過ぎ!」だそうで、ナカムラが否定の言葉を出そうにも上から被せられて「武器とか使ってるよね?何で殴った?」と、完全に本職モードに移行。
( ゚Д゚)違うんだってばさー!!
マル○ン君を事務所の鉄扉前に呼んで、昨日の出来事を再現VTRのように説明して、なんとかこうとか故意ではなく事故だと分かってもらい、無事釈放。マル○ン君の言葉足らずっぷり…というかこの場合は言葉の選び方だよね。「扉の開閉でぶつかった」とか、最初からそう言えばいいのに「僕が悪いんです」とか言い出すから、無駄な労力を割くハメになるワケで。
( ゚Д゚)わざとなのか!?
と疑いたくもなるが、歳は50オーバーでもかなりの天然キャラなので、その可能性は薄い。納得はいかないが、深く追求してもしょうがないので、やめとこう…うん。ちなみにその後、マル○ン君を含むスタッフ達は新台の試し打ち(データが正しく上がってるか等を見る)にも参加し、みんなでダイナムへ消えていき、後から追いかけたナカムラが立場上、クソ負けしたのにもかかわらず全員にメシを奢るという結果となった。
スタッフ達はそこからまだカラオケに行くらしく、マル○ン君も青紫の顔でノリノリだったのは言うまでもない。
CRブルース・リーは広告に「2台」と書いてあったが、誰も期待していなかったので1台しか無くても問い合わせもなく、黙々と粗利専用マシーンとして長期間頑張ってくれたと記憶している。
ちなみに、病院行けと渡した1万円は最後まで返ってこなかったぞww
完
※このコラムは遊技日本・本誌からの転載です※
遊技日本さまのご厚意により実現したものです。ご協力ありがとうございます。