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「やっすぅ?い」

メーカーは大和製作所。うん、聞いたことない。しかしそんな些細な事は気にしない。だって見た目が「エキサイト」なんだもん。そしてさらにイカスのは、当時の新台がだいたい38万円前後だった販売価格が、まさかの20万円切り。夢グループ通販の保科有里さんも「やっすぅ?い」と仰る夢価格。これが売れてないんだから、パチンコ業界はほんとどうかしてるぜ。
しかし買い方が分からない!取り引きのある業者に聞いても「え?なんですかその台?」って感じだし、そもそもメーカーへの連絡方法が不明。相当悪戦苦闘して扱ってる業者を探し出し、やっとこさ注文完了!当然直接引き取り希望である旨を伝える。場所は意外にも名古屋市内で、西区の上小田井とかいうところ。今ならマルハンの豪華店舗があるので有名であろう。

社長降臨

胸わくわくを募らせた、受け取りの当日。教えてもらった住所をナビに入力して、いざ出発!名古屋市内だから都会だろうという期待を裏切り、ナビに誘導されて着弾した先は…おもっくそ河川敷。正確には、河川敷の横にプレハブの住宅と工場が数軒並ぶ不穏地帯。

( ゚Д゚)マジか…

昭和初期のような、舗装もされていない道路を突き進むと、あった!あったでー!「株式会社大和製作所」の看板がっ!しっかし、どう見ても個人経営の町工場。こんなところでセキュリティも求められる精密機器のPACHINKOマシーンが作られてるのか!?今さら強烈な不安を覚えるが、もう後戻り不可。車を工場の前に停めて、ブッ込むのみ。

( ゚Д゚)こんちには!ボクCRA!

し??ん。受け付けのようなものはなく、しばし入口でまごまごしていると、作業服のオバチャンが通りかかり…カクカクシカジカ説明するナカムラ。

(オ・_・。)「しゃっちょー!お客さんやでぇー!」

オバチャン、唾飛ばしまくりの絶叫。すると、奥の階段から転げ落ちるように社長降臨!紛れもなくこの人は、パチンコメーカー社長!カテゴリーで言えば榎本さん(京楽)や毒島さん(SANKYO:当時)と同じ種族。そりゃーもう後光が差すほどのオーラが……微塵もない。目の前にいるのは、ジャグラーで3000円負けて台パンしてそうな作業服のオッサン。

(社゚∀゚)「おぉ!直接引き取りな!すぐ持ってくるわな!」

日本最高のアトラクション

そう言い残すと、ダッシュで奥に消えて行き…しばらくすると社長自ら2台のクレージーサークルを乗せた台車をガラガラ~っと押しながら再登場。車の後部座席に放り込むのを手伝ってもらい、書類を受け取りに再び工場内へ。すると先程のオバチャンがニコニコ顔で準備万端。ナイスコンビネーション。しかしさっきからこの2人しか視界に入らないのだが、パチンコメーカーがまさかの2オペ?疑問に思って聞いてみると…

(社゚∀゚)「あぁーもう台は作り終わったからな!」

どうやら4日ほど前まで社長+パートのオバチャン5人体制で工場がフル稼働していたらしいが、予定の台数を作り終えて小休止とのこと。いやー工場が稼働してるところを見たかった!残念無念。しかしパチンコメーカー社長と話できる機会なんてめったにないので、クレージーサークルに一目惚れした話から

( ゚Д゚)「ぶっちゃけ、エキサイト丸パクriだよね?」

(社゚∀゚)「お!アンタ若いのに分かるんか!ぴゅい♪」

なーんて、非常にレアなお話をさせて頂き…遂にお別れの時。後ろ髪を引かれる思いでフィニッシュした、工場見学in大和製作所。個人的にはディズニーランドよりUSJより楽しかった!残念ながらメーカーとしてはもう息をしていないが、大和製作所みたいな個性派がまた再起する事を望む。
それではまた!あでぃおす!

※このコラムは遊技日本・本誌からの転載です※

遊技日本さまのご厚意により実現したものです。ご協力ありがとうございます。