ぱちんこ閑話休題
はい皆様ご機嫌麗しゅうっ!こちら東北は短い短い秋が終わって、また厳しい冬が始まろうとしております。このまま4月いっぱいまでは確実に冬なので、よくよく考えたら1年の半分は冬なんですね、ガッデム。
ラジオ局を取り仕切るようになってけっこう時間が経ちましたが、パチンコ屋の店長時代から変わらない運営方針が1つありまして…それは営業マンWELCOME!!なんです。どんなにクッソ怪しい営業でも、わざわざ来たのなら
( ゚Д゚)話くらいは聞こうじゃないか。
となるし、電話も一応話は聞く。明らかに悪質な業者ならワザと来訪まで話を進めて、事務所で営業マンを理詰めしまくって楽しむクセが抜けないが、それはレクリエーションとして理解して頂きたい。で、どうしてそんなに業者の相手をするのかと言えば、本来なら門前払いしちゃいがちな業者でも、話を聞いてみれば末長いお付き合いになる事もたまーにあるんですよ。その中から今でも仲良くしてもらってる友達も数多くいるし、そして何より自分自身がちょっとの間だけど営業マンをしてた時代があって、最終的にモノが売れなかったとしても、飛び込みで「事務所で商談しました」ってだけで、それは十分な営業実績となる事が多い。だから面白い話があるかも知れないし、よっぽど忙しくなければ「話くらい聞くよ」ってスタンスなのである。
さてさて、今回はそんなナカムラの営業マン時代のお話をさせてもらいましょうそうしましょう。
中途採用で営業マンへ
ナカムラのぱちんこ遍歴から解説すると、打ち手としてフライングスタートしたのが16才の頃。大学入学と同時にホールでアルバイトを始め、21歳で大学を中退して無事にフリーターへ降格。そのまましばらくホールで働いていたが…
( ゚Д゚)ちゃんと就職するかぁー
となったのが23歳。結果的にホールへ社員として戻る事になるのだが、4年ほどはパチンコ業界内で「営業マン」として頑張ってたんだ。
ホールアルバイトを辞めて最初に就職先として探したのは、いわゆる「販社」と呼ばれるパチンコ・スロット台と周辺設備をホールに卸す会社。今の販社の立ち位置で1番大きいのは、紛れもなくフィールズ。当時は東洋商事という名前だったが、大学中退の上でしばらくフリーターをしていたパチンコバカに中途採用の女神は微笑まず…見事落選。ちなみにメーカーの藤商事にもフラれたのだが、これは恐らく志望書にアレジンとエキサイトの熱いポイントと、CRプレジデントのダメだった所を長々と書いたのが原因だと思われる。今なら解るが、若気の至り。ガッデム。
聞いたことない販社へ
東洋商事と藤商事に落ち、さーてどうしようかと転職情報誌をパラパラ?っとめくっていると…ふいに「パチンコ・スロット」という文字列に目が行き、それを追うと大阪難波にある販売会社だった。まったくもって聞いたことのない会社だったが、これはもう運命だ!ってことで早速応募。ここは余裕シャクシャクで面接をパスして、いよいよ初就職となる。入ってみてから分かったのだが、扱える台のメーカーが非常に少ない!パチンコはCRひとみの料理教室の頃の太陽エレックと、CR出前一丁の頃のサンセイ、スロットはお散歩天国の頃の高砂とドマイナーメーカー数社。当時は「バラエティコーナー」のような概念はなく、最低でも半列が最小ロットとなるので…なかなか「出前一丁を半列導入!」みたいな変態ホールを新規で発掘なんて超絶ムリゲー。スロットも高砂が新筐体になったとて壮絶にスベリ倒して、お散歩天国で顔面を擦り剥いた後にナイルパニックで全身複雑骨折状態。挙句の果てにクリエイションカード事業が絶好調で、設備部門に軸足を置く暴挙。
合言葉は「B」
パチンコ・スロット共に主軸で扱うべきメーカーがどうにもならんのに、後はまともに聞いたこともないようなメーカーのスロットしか扱えない。ガッデム。
しかしこの会社の本領はこの「ドマイナースロット」で発揮されるという事実を知ったのは、入社からしばらくしてからだった。機種名で言うと「デジタルカウボーイ(テクノコーシン)」や「キャットフィッシュ(ユニオンマシーナリ)」…はい、もうピーンと来ましたか?そう、今はもう絶滅している非合法不正改造スロット、通称ウラモノである。入社して2ヶ月くらいして、既に心が折れかけてた状態で社長に呼ばれて言われたのは「今日からBも売っていこう」という暗号のような言葉。「B」というのは店舗側が仕込むウラモノの隠語。ちなみに「C」はゴト師が仕込んだりする不正ロムの事を言う。つまり、最初の2ヶ月は「B」を扱わせても大丈夫かどうか判断するだけの期間で、その間に台が売れることなんてハナから期待なんてしていなかったということか。
ウラモノ設定は無限大
この日からテクノコーシンやユニオンマシーナリやバンガードといった超香ばしいメーカーの台のカタログ、さらにそれをベースに暴れん坊に性格矯正した場合のスペックカタログを持たされる…がっ!この改造後スペックカタログだけは何があっても紛失厳禁!渡すのも厳禁!写真撮らせるのも厳禁!ホールの責任者に見せるだけ!の厳重取り扱い注意!な逸品。
しっかし、前々からウラモノの存在は認知していたが、ここまで色々と自由自在だなんて知らなかった。それぞれの機種に対応するロムの種類によるが、初当たり確率は当然としても連チャン発生率やその継続率、通常ベース(1000円あたりの回転数)などなど、それぞれ10段階以上で設定できたり、驚愕なのは「大当たり確率ゼロ」にもできるという事実。大東音響などの汎用ウラモノメーカーとは一味違うテクノロジーなのである。あ、大当たり天井(設定した大当たり回数以上は当たらない)もあったね。
実地訓練
何はともあれ、ウラモノ販売員デビューである。部長がお得意さんのところに商談しに行くとの事で、同伴させてもらう事になる。内容は端折るが、勉強にはならなかったね。だって最初から相手はウラモノを求めていて、そこに顔見知りがウラモノを売り込みに行くワケだから、もう何を隠すべきなのか何の情報を出していいのか、これからナカムラがすべき「ウラモノ客の新規開拓」とは根本的に全く違う。何軒か部長のお得意さんを回ったあと、まっすぐ会社に戻るのかと思いきや、
(部ー_ー)「よっしゃ、実地訓練や」
と言われて連れて行かれたのは、会社近くの倉庫。そこには納品前のパチンコとスロットが並べられており、その一角にけっこう大げさな作業台がある。大きなライトが複数付いていて、ラジオペンチや瞬間接着剤などの工具が完備されている。そうこうしてる内に部長が作業台に1台のスロットを乗せ、鼻歌まじりでドアを開けてドライバーでネジを外してリール部分を撤去。奥に鎮座するのはメイン基板。当時はカシメなんて無くて、メイン基板はプラスチックの引っ掛かりで固定され、剥がしたら跡が残るシールのみで安全が担保されていた。
ドライヤーはナショナル
次に作業台の引き出しから出てきたのは…ドライヤー?普通に髪を乾かすアレだ。
(部ー_ー)「やっぱりナショナルのドライヤーが1番やねん」
そう言いながら、メイン基板のあたりにブォーっと風をあてて、太めのピンセットみたいなやつで封印シールをキレイに剥す部長。ほんとに全く跡形も残ってないし、シール自体も傷んでいない!
( ゚Д゚)Sugeeeeee!!
どんだけガバガバセキュリティやねん!と驚いていると、ここで部長の名言が飛び出す。
(部ー_ー)「他メーカーのドライヤーは熱が足らんねん。俺と同じ熱量を出すのはコイツだけや」
( ゚Д゚)…………。
笑っちゃいけない!踏ん張れ俺!ガッデム。
つづく