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いわゆる「ぶら下がり」
今の台はパチンコ台の裏側もセキュリティが高く、メインやサブの基板はもちろんそれに繋がるハーネス類もカシメできっちり封印されている徹底ぶり。改造するにはどう頑張ってもプラスチックを割らないと無理。昔の台も基板は封印されてたんだけど、そこから伸びてるハーネス関係はほとんどノーガードなのが多かったため、そこにいわゆる「ぶら下がり」という部品を仕込むのが常套手段。これはゴト師達もゴトの手段として営業中にムリヤリ仕込んだり、スタッフを抱き込んで仕込ませたり。ただ、店がやる場合はうまーく配線の中に紛れ込ませるので、詳しい人が見ても一瞬では判断つかないだろう。
ゴト師が仕込むのは、一定の手順を踏むと大当たり発生!みたいなヤツだが、店が仕込むのは「とにかく大爆発で客を呼び込みたい」ので、朝イチ10連チャン確定のセットとか通常確率を削って連チャン力を上げるとか、そういう類。そういう面ではCRそれゆけ浜ちゃんのような、メーカー公式で細工されてて全国各地で異常な猛爆を起こした機種は稀である。
浜ちゃんの仕組み
コイツの場合、一旦「状態」に入ると…なんら不正改造無しでメーカー発表上50%の確変継続率が
( ゚Д゚)怖い…これいつ終わるの…
ってくらい連チャンしたんだけど、電チュー入賞後に物理的貯留された玉をスタートセンサーに運ぶ回転体の回転周期とセンサーでの抽選周期が、ある条件を満たすと完全に同期する状態を作り出せるというモノだった。その条件とは、関西用と関東用の台(当時はHzの違いで製品が分かれていた)を反対の場所で使うこと。この微妙なHz違いで回転体のモーター速度が極々僅かに狂い、それが偶然抽選周期と同期して、すんげー爆発を生み出していた。当然メーカーとしては「手違い!いやーすごい偶然ですよねー!まいっちんぐ!」って事で乗り切ったんだが、実際そんなワケあるかww
で、先ほどの仕込みの話に戻ろうか。仕込みが起こる…というか仕込みが可能なのは、主に5?10万台規模で市場に出回ってる機種のみ。なぜかと言うと、その仕込み部品を設計して量産するカバン屋さんの採算が取れないから。プログラム解析して、それの割り込み信号を作って、尚且つ不自然な動きをしないように制御する部品を作るんだから、数を捌けなきゃ赤字倒れになってしまう。つまり高尾やマルホンの機種は昔から潔白だ。
牙狼のハーネスが欲しかった
セットハーネスを一番多く耳にしたのはCR新海?CRスーパー海ハワイとか沖縄の頃かな。何せどこのホールにも2ボックス以上あったし、ホール同士が激しいイベントで出玉合戦してたから、それなりにそういう部品に需要があった。
個人的に一番欲しかったのは、初代牙狼の「連チャン5回リミットハーネス」である。ずっと過疎店舗で店長してたので、あのクソ金色野郎が1台猛爆しただけで半日の粗利がフッ飛ばされる事もしばしば。よく連チャン中の牙狼の液晶にカメラをズームして、事務所で
( ゚Д゚)いけ!キバ!しばけ!なんでやねん!役立たず!
と敵キャラに声援を送ったものだ。
アレがもし安ければ買ってたかもしれないなぁ。ま、今の機種では部品自体が無いだろうし、あっても危険性とメリットが釣り合わないのは明白。こういうところも昔は大らかだったと言えるのかな。
こういうのも後10年、20年では都市伝説になってるんだろうね…まだパチンコ業界があればの話だが。
完
※このコラムは遊技日本・本誌からの転載です※
遊技日本さまのご厚意により実現したものです。ご協力ありがとうございます。