ガイドスタッフになって3年目。この年は本当にいろんな出来事がありました。

 

パチスロ業界的に特筆すべきは以下の4点。

 

1、バックライトフラッシュが復活

4号機時代の初期にバックライトフラッシュを採用した機種が幾つかありましたが(チェリーバーやオリエンタル2など)、これが「リールの視認性を妨げる」などの理由で禁止され、以後はずっと認められていませんでした。しかし、平成9年の暮れにデビューしたサンダーV(メーシー販売)で華麗に復活。いわゆる「チャンス予告演出」の基礎を築きます。規制が緩和されたのか、はたまた解釈の抜け道をみつけたのか…詳しいことはわかりませんが、現在の液晶演出も基本的にはサンダーVのチャンス予告演出をパワーアップさせたものに過ぎないのです。

 

2、CT機の登場

CTとは「チャレンジタイム」の略称。ビッグ終了後に所定のゲーム数を消化(最大150G)、あるいは一定の純増枚数(最大214枚)に達するまでの間、リプレイおよびボーナス成立時以外はリールが「無制御状態」になり、目押しを駆使することで自在に小役を揃えられる機能を指します。CT中は最低でも1リール以上が無制御(ストップボタンを押したら直ちに停止する)でなければならず、目押しが出来ないプレイヤーが打つと大損しました。

 

3、大量獲得タイプの登場

いわゆるA-600タイプと呼ばれる分野です。リプレイハズシを駆使することにより、1回のビッグボーナスで600枚オーバーの出玉を獲得できました。最初に登場したBin貧神さま(Sammy)は600枚どころか平均480枚程度の純増性能に過ぎませんでしたが、ビーマックス(アルゼ)以降の大量獲得タイプは嘘偽りなく平均獲得枚数が600枚近くありました。

 

4、7ライン機の登場

パチスロの有効ラインは基本的に「上段ライン・中段ライン・下段ライン・右上がり・右下がり」の5ラインですが、これに2本のエクストラライン(メーカーにより異なる)を追加して、より多彩な出目演出を実現させました。7ライン機の最大のメリットは「ボーナス確率の上限値」を引き上げられることにあり、これにより設定6のビッグ確率が200分の1を上回る機種が誕生しますが、出玉率と上手くバランスが取れていなかった機種も多かったように思います。

 

ちなみに、この年に私が打ち込んだ機種は以下の通り。

サンダーV(メーシー販売)、ウルトラマン倶楽部3(Sammy)、ビッグウインクルA(高砂電器)、マニーハニー(マックスアライド)、グロリアハーツ(瑞穂製作所)、シベリアーナ(瑞穂製作所)、クロスCT(ネット)、シオサイ30(パイオニア)、バーサス(アルゼ)、ファニーサンタ(タイヨー)、ダブルウルフVCT(ネット)、ビッグウェーブ(山佐)、ハナビ(アルゼ)、クレオパトラ(オリンピア)、ファイヤーコング(オリンピア)、ビーマックス(アルゼ)、ジャパン2(Sammy)…等々。

一部に「なぜこんな機種を今頃になって打つの?」と思うような機種も含まれていますが、実はこの年の3月13日に編集部からそう遠くない場所にとあるホールがオープンしましてね。その店の看板機種がここでいう「一部の機種」。これが、ハマる時は恐ろしくハマるけど、出始めたらビッグ10連くらいは日常茶飯事という、とても元気の良いマシンだったんですよ。しかもこの店、お世辞抜きで凄く出していました。私は今年でスロ歴が37年目になりますが、この時の某ホールを超えるグランドオープンを見たことがありません。シマの端から端まで全台がドル箱を重ね、どこからどこまでが誰のドル箱だかわからなくなるほど。透明のドル箱に金色に輝くコインというのもインパクトが抜群で、3月一杯は仕事がなければ常にこの店に入り浸ってました。

 

平成10年のトータル

  1月    +385,500円

  2月    +32,500円

  3月  +303,000円

  4月  +185,500円

  5月      +92,00円

  6月    +108,000円

  7月   -218,500円

  8月    +197,300円

  9月    +419,000円

10月      +98,000円

11月  +175,500円

12月  +266,500円

合計 プラス 2,044,300円

 

4月以降も、技術介入機に受けた恩恵は非常に大きく、最終的に年間収支+200万円を達成しました。また、パチスロの多様化に対応するため、ガイド編集部はそれまで月イチの刊行だったパチスロ必勝ガイド(毎月22日発売)の発売日を29日に移動し、新たに毎月14日発売の「パチスロ必勝ガイドMAX」を立ち上げました。このとき、編集&ライターが大量に新規採用され、彼らは今も各方面で活躍しています。

ちなみに、ガイドMAXの創刊に際して私は「枠上人生」という連載を頂戴しましたが、第1回目の原稿を書くのに要した時間は何と36時間。書いては消し、消しては書き…の繰り返しで、基本的な文体が固まるまで凄く苦労しました。結局、この連載は7年間続き、ありがたいことに最終的に2冊の単行本となったのですが、今読み返してみると稚拙な文章が非常に恥ずかしかったりして…。

 

ともあれ、こんな感じで平成10年は終わるのですが、12月の中旬になって「とある機種」に起因する騒ぎが起きます。多くのプロを歓喜させ、一般客すら巻き込んだその機種とは…。

(つづく)