パチンコ専門の物書きという職業柄、勝ち方については目の前の事柄だけでなく、俯瞰して考えてくるクセがある。
よく文字にする「大きな流れ」みたいなヤツがそれだ。
特に自分はキャリアだけは長いので、時代時代の勝ち方を見てきた経験もあるし。

・たとえば攻略。昭和までのデジタルを止めるストップボタンで無理やり大当りさせるやつだね。
これはこれは台選びの能力を遥かに凌駕する威力があって、プロ的なスキルがなくてもバンバン勝てた。
・同時期かな? 開店回りの隆盛もあった。
これまた「俺たちの仕事は並ぶこと。玉を出すのは集金に過ぎない」と嘯いていた開店プロの言葉通り、デジパチ攻略と同様に時代の仇花と言えるかもしれない。
・他にもイベント解禁の流れで現れた、店をスケジューリングして札台だけを狙うプロの存在があった。
ホールの還元率が低下して、出玉を取らないと勝てなくなった時代の象徴はひねりブームに乗ったプロ達だろう。
みんなどこへ行ったのかね? お金になるからやっていた人達は、当然のこととしてもっと儲かる分野へくら替えしていったんだろうな…。

前置きが長くなったけれど、今回はそんな流れの功罪について記してみたい。

上では「一時の流行に乗って消えていった人ばかり」と揶揄しているようにとられそうだけど、大きな流れというのは必ず意識するべきだ。
人というのは全体の中の自分の位置を知るべきだし、他者との比較無しには自分の長所も短所も知ることはできないから。
また、一つの大きなレールが敷かれ、それを歩いている人間が多数いるということは、それが手っ取り早く勝てる方法の証明でもある。

実際、既に書いた過去の流れには今の勝ち組に繋がるエッセンスが必ずあり、還元率が低すぎるホールで勝つには、その全てを備えている必要があるほどだ。
えっ、俺? いいんですよ。天の邪鬼は大して勝ってないし(汗)。

ただ、時代時代の流れに依存し過ぎると、乗っかる指針がない場合に右往左往してしまう。
いつの時代も群れの先頭は思いついて実行するところまでやっているしね。方法を後追いしているだけでは、こなすのが得意でも、ただのおんぶお化けでしかない。

自分の知り合いにもいた。新規や新装で勝てるからと、基本的な物を磨かずにいる間に開店廻りが苦しくなり、パチンコから離脱とか。
昔と違い、今は専門誌よりネット発で勝ち方を身につける人の方が多いようだ。方法論を学びながら、同時に「なぜそうなるのか?」を考える習慣をつけるのは、長く勝ち続けるための必須条件だと思う。
WEBでそこまで親切に教えてくれるところは少なかろうが、要は記事の裏まで考えること。それだけっす。

逆に自分が自嘲で言う「シーラカンス」であり過ぎると、これも墓穴を掘りますよ。
気難しい年配のプロに多かったけど、新しい物を否定して、「あれはやらない」「これも自分らしくない」と、どんどん袋小路へ向かってしまうようなタイプです。
勝ちにはプロもアマもない。悠遊道はパチプロ養成なんて目的とはしていないので、今回の話はむしろプロでない人向けに話したつもりでもありますよ。