前回に続いてスタンスの問題を書いてみる。実はこれは万回転が記事内で使った「ポジショントーク」という言葉が自分の中に強く残り、そこからの発展でもあるのです。

よくよく考えると、パチンコ業界を作っている人々はいろんな層がいる。
・メーカーは商売相手であるホールの要望に沿って機種開発をする。そこには(直接には)ユーザーのニーズを汲み取る必要はない。
・ホールは企業だから、打ち手の長期育成やキープよりも、目の前の売上げと利益を優先せざるをえない。たとえ、それが本意でないとしても…。
・イベント屋さんや演者さん達は、今や勝ち負けにこだわるユーザーが商売相手ではないので、ファンの懐具合を気にするより、タレント性を上げる方が成功しやすい。実際「プライベートでは一切打っていない」という人の話も耳にしているし。
・専門誌も(理想はともかく)紙が売れにくい時代になり、読者を急に増やすよりは、今の購買層をつなぎ止めることに腐心しているように見える。
企業として存続せねばならぬ宿命はメディアも同じで、「昔のホールに喧嘩腰で物を言えた時代と同じなら買うけどね」と言うファンの期待に応えられないのは仕方ないことだろう。
必勝ガイドなんかはまだ自由度があり、「問題が起きたら個人の責任で」の前提はあるものの、コラムで個人の意見は書けるし、機種ページのようなメーカーのOK待ちはない。

ことほど左様に同じ業界内でもスタンスは大違い。いや、同じホール、メーカーのカテゴリーでも大手や中小で意見は違うのが普通だろう。
一枚岩で業界の復活へ力を合わせる術は、ちょっと考えつかないんだよな。

もうパチンコ好きの有名人(ただし、政治力がある人)でもかつぎ上げて、コミッショナーにでもしないと、業界の先はないのかもしれない。
「ファンが団体を作って、業界に意見を通す形はどうだろう。一番数が多いのはユーザーだし、金銭面の下支えをしているのも事実なんだから」なんて考えたこともあるけど、ユーザーほどスタンスが違うカテゴリーもないからね。勝った負けた程度でやっかみ合う人間が、一つになれるわけもないっすねえ(汗)。

だから、こういう場で自分が書く事も、何かを強制したりケツを叩ける行動とは思ってません。どっかで心の隅に残ってくれて、何かの機会に誰かひとりでも小さな影響があればいい、そう思っているのです。