解りにくいボケからの始まり

さてさて先々週先週から3週連続『ぬいぐるまー』ですよ。

前回のラスト、(愛)おぼえていますか?

因みにオイラはリン・ミンメイよりマクロス7のミレーヌ派でした。もっともマクロスデルタの…ゴホンゴホン…その話はまた今度にしましょう。
※編集注記(?):校正担当はマクロスFの松浦ナナセ派なのをココに申し添えます(どうでも良い)

失礼しました。

改めて前回のラストを振り返ると・・・

そうやって楽しくぬいぐるまー生活(学生ですが)を過ごしていたオイラですが、その後「運命」ともいえる【アイツ】と出会ってしまうんです。

と、運命の出逢い云々書いてましたが、ソイツの名前はGODZILLA。怪獣の王様ですね。

初めてゴジラを演じたのは、季節で言えば春頃。

先輩方は『暑い、重い、動きにくい』の三重苦なアイツを非常に嫌がっていたのかどうかは知りませんが、何故かしら「ゴジラは夾竹だな。」みたいな感じにチーム内の空気ができ上がっていました。

オイラとしては、「ゴジラを演じられるのは嬉しいし、ショーの段取りさえ壊さなければ、ザックリとした殺陣を相手の怪獣であるところの『メカゴジラ』を演じる半年先輩の方と打ち合わせるだけで済むので、めちゃくちゃ楽ちんジャン!」とか思ってたんですよね。

最初の内は確かにそうでした。そう、最初の内はね…

 

ゴジラショー

前述の通りに、ゴジラを初めて演じたのはまだ春になるかどうかの時期でしたが、基本的に週末限定な上に「呼ばれたら、あちらこちらに出向いて演じる」と言うのがキャラショーの宿命なので、あっという間に季節は移ります。

この記事の公開日のようなG.W.期間はクライアントさんの評判も上々。

多くのショーもなんとか乗り切ったからか、夏になる頃には「ゴジラ?任せといてくださいよ、アハハ!」と、口には出さないまでも、当時のオイラの胸の内はそんな風に調子乗り竹だったと思います。

そして、とうとう運命の『8月31日』が訪れたのです・・・。

その日の現場は某県の某水産センター。「大阪から近いやん」って言う思いもあり、何故か緊張感が欠けてしまっていたんでしょうか。

いつもショー前日の夜には先輩のお宅に集合させてもらってたのに、完全に調子に乗っ竹なオイラは夜中まで遊んでいて、明け方に別の先輩と一緒にそのお宅に行く。という偉そうな事をしたりしちゃいまして。

しかも、服装もランニングシャツに短パン、足元はサンダル的なヤツ。

夏なので服装としては問題ないといえばそうなんですが、向かう先は『遊び』ではなく『お仕事』ですからね。

どんな大先輩でも、『暑いから』と言ってそんな恰好をしている奴は見たことねーわ!

今なら凄く理解出来るんですが、やっとこさデキる様になってきた後輩(=夾竹)に辞められても困るし、あんまりキツイことは言わなかったんでしょうね。

いつか呑みの席ででも、あの時のことを謝ろう。そして、届くかどうかは判らないけど取り敢えずココでも。「あの時はごめんなさい、アホほど調子に乗ってました。」

話は8月31日に戻り、先輩の家経由で某県・某水産センターに向かいます。

現場に着く頃には、夏らしいモワっとした暑さが空気を支配していました。

しかも、聞かされて無かったんですが、その日は屋内ステージ!外は軽く30度(勿論、摂氏で)を超えていると言うのに屋内!!

当時の空調設備がそんなに有能な訳もなく、到着して早々にステージを確認したゴジ竹(仮)は、もう【不安】しか有りませんでした。『コレ、本番で何度まで上がんねん・・・』と。

そんなこんな(笑)で、本番直前。

抜け殻のゴジラの背中から潜り込み、ゴジ竹完成!

ステージ袖に向かうと、案の定空気は循環も悪く、空調の恩恵は微塵も感じず。

窓には暗幕も張られ、お客さんも200人は余裕で超えていたでしょうか。

ただ、この200人が熱心なゴジラファンと言う事はなく、どうやらショーの後にアイドルの出番が控えていたらしく、ミサイルでも発射出来そうな見た目の望遠レンズを装着したカメラを構える武装集団が大勢いらしてたらしいです。

そんな状況ゆえ、(無駄な)熱気がムンムンな中、ショーが始まる。

ステージ中央にゴジラウオークでゆっくりと且つ重々しく出て行ったゴジ竹ですが、ここで想定外の攻撃が放たれます。

それはステージ正面からのメーサー光線!・・・ではなく、スポットライトという名の、目潰し&熱線!

ただ少し歩いただけのゴジ竹ですが、体力はこの時点でほぼゼロになっていました・・・。

この後、ショーの流れでメカゴジラと格闘するも、組み合った瞬間に「ヤバいー」、「ちょ、むり~」とお互いの状況を確認することしか出来ません。

段取り通り舞台袖に一度戻ると、独りになってしまったゴジ竹

「このまま無理したら確実に意識失うな・・・どうする?俺。。。」と、朦朧としつつある意識の中でそんな自問自答を繰り返した結果、選択したのは『少し離れた所に座っておられる【クライアント様】に助けてもらう事』。

「助けてもらう」とは言っても、少し背中のファスナーを降ろしてもらって顔を出したかっただけです。

そして、無事にファスナーを開けてもらい顔を出し、これにて一件落着・・・のつもりが、そのクライアント様が『何か水分を…』的な親切心をはたらかせてくれたからか、クライアント様が飲んでいた紙コップ入りのカフェオレかなんかをゴジ竹(半分)の口に無理やり流し込んで きやがっ… きてくださり、口の中がベタベタの状態で再度ステージへ出ていく羽目に(あの時のクライアント様、命を救われました。有難うゴザイマス)

そのあと、ショーの続きで『派手にメカゴジラと組み合って二体とも倒れこむシーン』では起き上がれずに『人間』が起きるのを手伝ったり等、各所にケイオスな展開を見せつつも、どうにか1回目のショーは終了。

そして、2回目のショーとの合間に『延々と噴水の中で寝る』&『6本スポーツドリンク一気飲み』で、この地獄のような一日を乗り切ったのでした。

ただ、後日知ることになるのですが、この時のことがきっかけで【極度の閉所恐怖症】を発症する事になってしまうのです。

今現在もご時世的にマスク着用が当たり前ではありますが、マスクをするだけでも閉所としての恐怖を感じてしまう状態ゆえ、相当無理をしております・・・。

皆様も、寝不足状態で真夏の屋内でゴジラを演じられる際には、くれぐれもお気を付けくださいませ。