両親が他界して、もう実家があった伊豆に行くのは法事くらい。高校までの同級生ともほとんど会う機会がなくなってしまった。
一時期は「いつか帰ってくるんだろ」とよく言われたものだが、今となっては老人になっても働かなきゃならぬ気配だしなあ。パチンコも東京にいないと無理だし。
そんな中、たまにメールをくれるのは高校時代に一緒にバンドをやったカズオ君。
大学時代は学校も行かずにサックス一つを抱えて演奏できる店から店へと旅を打っていた彼も立派に公務員となり、今じゃ校長先生だ。
「東京に来たら、パチンコに連れて行って勝たせて上げるよ」という約束は時代もあって難しくなったけれど、どっかで必ず時間を作って、積もる話をしたい。いや、する。若いころの友人は大人になって仕事が絡むそれとは別モンだからね。