千葉県遊協、賞品価格の変更時期の延期を決定(Greenbelt)

 

銃発砲から火炎瓶まで 狙い撃ちの暴挙に耐えた(情報元:パチンコ屋の裏話 現役店長楽太郎のお部屋

 

先日、等価廃止を決めた千葉県の県遊協が一転、交換率変更の延期を発表した。

延期の理由はどこにも書かれていないが、恐らく組合員の(力を持つ)一部から強硬な反発があった、もしくは何らかの外部要因からのすったもんだと思われる。

非等価になる事を望まないユーザーがいるのも事実で、ことその一点のみを見れば是々非々があるだろう。

 

一方、時期を同じく書かれた『現役店長楽太郎のお部屋』にて、興味深い記事があったので取り上げたい。

 

楽太郎氏のブログ内容は、換金率や広告宣伝などに関して、組合の取り決めを守らない法人をどうしたものか、というところがテーマだ。

その中で、『組合の取り決めを守らない法人については、特殊景品の流通システムから除外するペナルティを課してはどうか』といった提言が寄せられている。

その根本として、北沢事件を始めとする先人たちの努力があげられていた。

組合の取り決めを無視する店舗/ホール企業は、金景品流通システムから排除せよ【前編】

 

北沢事件を知らなかったボクは、記事を読んで不勉強な自分を恥じるばかりだ。

なぜ、東京が金地金を特殊景品としたのか。

それを実現させるためにどれほどの戦いと覚悟があったのか。

そして、組合の意義とは何か。

 

そこには、パチンコ業界が生き残るために、文字通り命がけで取り組んだ先人がいた。

 

翻って、千葉県の等価禁止の延期である。

内部を知らない人間からすれば、その事についてどうこう述べる資格はないかもしれないが、パチンコ日報でもこれまで何度も取り上げられているように、業界衰退の大きな一因は等価交換営業にある。

 

確かに、一撃離脱が可能な等価交換は、一見ユーザーにとっても得のように思える。また、現金勝負・短時間勝負が前提のユーザーにとって、低交換営業は厳しい環境かもしれない。

だが、それはユーザー側も大きな勘違いをしている。

等価が主流になればなるほど、新台の機械のスペックは辛くなり、ホールの調整も辛くなる。

回転率や出玉・設定が悪くなる事によって、投資額が増えていく。

貯玉を使う使わない、長時間・短時間遊技、といったユーザー間の差が無くなる事により、一律に負けやすい(どうあがこうが勝てない)環境が出来上がっているのだ。

 

東京が5.6枚 28玉に舵を切った際に痛感した事だが、未だ等価主流の神奈川県と比べ、確実に下のベースは上がっている。

それは、勝ちも負けも穏やかにする形に他ならず、正に『遊べる環境』に(等価と比べれば)近づいている。

 

では、千葉県の等価禁止の延期は一体何が理由なのだろうか。

ギャンブル性を高く維持する事で、今の売り上げを維持したいホールの思惑か。

はたまた、暴力団のような裏世界の影響か。

間違いなくユーザーがそれを支持したからなどという理由ではない。

いずれにしても、そこに見えるのは『業界の未来を無視した勢力の存在』だ。

 

組合というものは法人格であれ、任意団体であれ、相互扶助と共生共栄の理念の下、発足しているものだ。

勿論、それがお互いの足を引っ張るような存在であってはいけないが、少なくともギャンブル産業であり規制産業であるパチンコ業界においては、己の営利のみを追及するような存在を抑える事に組合の意義がある。

 

南栄二氏が命を賭して守りたかったものは何なのか。

その原点に今一度、立ち返る必要がある。

(万回転)