A氏「自分がアホなんを分かってない人間にはアホやと分からせてやらなアカンのですよ」
A氏は中規模ホールチェーンの元店長で、現在は業界内で独立している。
A氏「ホールのオーナー、特に二世社長はただ機械を置いておけば儲かると思っている。それで売上が上がらなければすぐメーカーのせい。自分でパチンコ屋をやっておきながら、自分の力はどこいったんだ、と。」
A氏「ホールが苦しい苦しいって、高級車乗り回して何の手も打たず、それでも金が入ってくると思ってる。この業界以外のどこにそんな会社があるんか、と。世間を知らなすぎる。」
少しお酒が入っていた事もあるが、辛辣な言葉が並んだ。
遊技日本内のCRAナカムラ氏のコラムで報じられた通り、ホール減少の流れは止まりそうもない。
――――引用
この年末から来年初めにかけて閉めるホールの大多数は「もういっか。パチンコにしがみ付いてても未来はない。いい機会だ辞めよう」みたいな感じなんですよ。余力はあっても、玉砕覚悟の突破を図らずに撤退という選択肢が確かにこのご時勢では正しいんでしょう…。世間からは嫌われ、体もメンタルも削られ、その上儲からないならやる意味はナイ!ビジネスライクに考えると確かにそうなんですけど、やっぱパチンコに全てを捧げてきた身からすると、ほんと悲しい。
――――引用ここまで
どんな会社であれ、オーナー社長の力は絶対だ。そして、その影響力に社員はどうしても振り回される。
根本的にやる気も能力もなく、儲からないならやめよう。そんな会社は社会に必要とされもしないし、無くなって然るべきなのだろう。
それは、メーカーも同じだ。
A氏によると某メーカーは、版権ものの台で予定の1/10しか台が売れず、台当たりの版権代が80万超えの大赤字を出したそうだが、ゲーム性に何の工夫もなく、表のツラだけを変えたデジパチを金太郎飴のように出し続けていてヒットすると思っている事自体どうかしている。
メディアだってそう。
今年の事件簿をまとめていてつくづく感じるが、毎月のようにライターと言う名の演者たちが無責任な言動で炎上騒ぎを起こしてきた。
自分が目立てばいい、儲かればいい、というパチンコを「手段」としか見ていないホールオーナーと何ら変わりのない姿勢が彼らの根本にはある。
そんな人たちを利用する方もされる方もどうかしていると思うが、ドラ広さんの言葉を借りるまでもなく、業界に食わせてもらっている事を弁えられない人たちには、一旦ご退場頂くしかないのだろう。
1950年代、パチンコ業界の最盛期には4万店近くのホールが全国にあった。だが、連発式が「射幸性が高すぎる」と禁止され、7,000店までホール数は激減した。
チューリップ機の登場で再び息を吹き返した業界だが、インベーダーゲームの大ブームを境に再び逆境を迎える。
その後、フィーバー機の登場で盛り返した業界は、紆余曲折得を経て再び下降線を辿っている。それが今であり、これまでがバブルだっただけとも言える。
ただ、行き過ぎた射幸性と娯楽の多様化、その内患と外患が同時に訪れているのは、これまでに無かった事態だ。
筆者が1ユーザーとして業界を見続けてきた20年の中で、ここからの数年間はかつてない程厳しい時代となるのだろう。
一度ウミを出し切り、大衆娯楽の原点に立ち戻ったとして、その先が果たしてあるのか。それは誰にも分からない。
だが、A氏やCRAナカムラ氏のように本気で業界の事を考えている人たちがいる限り、ボクも業界を見続けていたいと思う。