パリ五輪が滞りなく?閉会しました。日本は当初の目標・金メダル20個を見事達成!しかしいろんな物議を醸しだした大会でもありました。短パンTシャツ軽装メインの観客は誰一人マスクしてませんでしたが、裏ではコロナが流行っててリタイア(男子100m金メダリスト、ライルズ選手なども)した選手も少なからずいました。

T村漫画家研究発表同様に1冊の本にできるくらい書きたいところですが、断腸の思いで3000字程度にまとめます。開幕前に「前半のハイライトとなる柔道において地元フランス黒人勢が脅威である」としてました。それは、前回の東京五輪の柔道団体戦において決勝でフランスに敗れ、結果個人戦で金を獲得した選手まで悔し涙を流して終わった後味の悪さ。そして今回ふたを開けると、その脅威はパワフルな黒人勢だけでなく審判、ルーレット運営といった面にまで及びました。結果、金メダリスト阿部選手らが同様の憂き目に。

まあ、団体戦は重量級が重要なので曽根選手のケガによるリタイアが実にイタかった。そして今回の五輪選考で最後まで決まらなかったのが阿部一二三選手。それは同階級に外国人に滅法強い丸山選手が居たから。阿部VS丸山の試合は毎回決勝戦、延長戦に入りなかなか決着しないのが常。これほどの逸材を階級を変え団体戦要員にできたなら。

そしてフランスがそれ狙いだった指導3つで失格決着の面白くないこと。試合開始早々に両者指導とか、出すの早すぎ。もし両者2つづつ指導後、両者に指導を出したらどうなるんだ、とかね。

元々判定競技や組み合わせが地元有利になる流れは長い五輪の歴史において、当たり前レベルではありましたが、今回目に余るものが。例えば男子100mリレーにおいて決勝に残った8か国の中に準決勝進出16か国でタイム9位のフランスが入ったカラクリ、とか。

今回のTV中継時間は夕方から深夜早朝パターン。柔道はメダルが決まる決勝戦は夜1時頃、となんとか起きてることができましたが、大半の競技はそれができず。例えば最も金メダルに近いと言われたレスリング女子の藤波選手(137連勝の中には他の日本人金メダリストとの試合も含まれます)の試合、期待通りその試合の全てが圧勝劇だったのですが、決勝戦の開始時刻が分かり辛く、結果早朝の4時でしたし、この時間帯の競技をライブで観られた方は激少だったでしょう。

私は録画し情報をシャットアウトし朝に観ることとしてました。ただ、家内などが同じ室内にあるTVを点け、ニュース番組などで競技結果を示してるコトがあるので情報シャットアウトは苦心しましたね。例えばテロップ「ニュース速報」と出ると、これはメダル獲得の速報なのでテロップ部分を隠すとか。男子100mリレー、レスリング藤波選手の試合、北口選手のやり投げは特に観たい位置づけにて事前購入してた五輪ブックにマーカー入れてました。

録画観てて感じたことがありました。録画なら競技の合間は早送りし、効率よく観ることができます。しかしライブならではの、日本選手この後すぐ、とテロップに表示されるもなかなか出てこない、あの待たされる感覚もまた五輪ならではだったな、と。

このTV中継でプラスに働いたのが起きてる時間の放映だった卓球、ゴルフ、ブレイキンなど。マイナスに働いたのが水泳、陸上、バスケット、サッカー、など。また、トランポリン、カヌー、トライアスロン、セーリング、アーチェリー、ボクシングなど放映自体があったのか、な競技も。個人的にはトランポリン女子の森選手。前回の東京五輪で全く普段の演技ができず号泣してたのですが、今回映像は無くとも6位入賞し笑顔だったのが良かったです。

メダル候補がいる競技が放映に優先され、そうでないのは割愛されるのは仕方ないこと。フェンシングは躍進し今後の放映も明るいし、卓球は勝ち負けが分かりやすく映像移りがいいので今後も優先間違いなし。卓球男子は残念(基本対フランスの試合は面白くないので今回どの競技も観てません)でしたが、私なら松島選手を選ぶのに、としてました。世界はパワー卓球の時代に入ってます。これを1番体現できるのが松島選手だと思ってるから。

卓球の五輪代表選手の選考は長きに渡るポイント制としてましたが、私に言わせれば愚の骨頂。1年以上に渡り海外の試合にも参加し結果を残すことでポイントを稼ぐ。エース早田選手の左腕が悲鳴を上げたのは、この長きに渡って試合をしまくった結果である、と思っています。そしてこっちは相手にバレバレのプレースタイルに対しベールに包まれた北朝鮮のペアに1回戦で敗退の顛末も。

また、中国男子チームの3人目は誰が入るのか、を気にしてた人は私だけかもね。女子の3人は早々に分かってましたし、中国人同士の対戦なんて放映しませんが、世界レベルの個人戦の決勝戦を観たい私ではあります。あの早田選手にストレート勝ちした孫選手が銀メダルだった中国のレベルの高さよ。そして女子張本選手がストレート負け喫したドイツのカウフマン、強かった。

ちなみにオーストラリアの水泳チームなど、AIを取り入れ、最近の競技結果ではなく〇ヵ月後にある五輪の競技日でのタイムを予想しメンバーを選定してます。つくづく日本は遅れてる、と言わざるを得ません。

五輪は普段全く放映をしない競技を観る楽しみもあります。サーフィン、バドミントン、スケボー、クライミング、飛び込み、そして今回初となったブレイキンなど、メダルを獲得できた競技には特にハラハラさせられました。森選手のリードカッコ良かったし、飛び込みで玉井選手の銀凄かった。体操男子団体の金に感動させられましたし、エース橋本選手に代わって岡選手が個人総合および鉄棒の金メダルも凄かった。

陸上競技では、もし普段の記録が出せてたら、が長年の課題であった(緊張し普段の力が出ないのが普通)中、自己新を出した100メートル走でのサニブラウン選手、走高跳びでの赤松選手やマラソンでの赤崎選手、鈴木選手はお見事でした。男子100mリレーでは柳田選手が不調でメンバー落選はイタかったですが、日本が得意としてた50キロ競歩が五輪種目からハズされ、ややもしたら陸上競技でメダル0の可能性もあり、1人その責を負っていた今回の五輪の顔とも言える北口選手の金メダルは素晴らしいものでした。

そして五輪では銀<銅のシーンをよく見かけます。3位決定戦で勝って銅メダルは嬉しいものですが、決勝で負けて銀メダルは悔しいもの。しかし天と地との差があるのが銅メダルと4位の差。肩書にメダリストかそうでないのか、の差。今回、スケボーの堀米選手が最後の5回目の競技で見事大技に成功し大逆転での金メダル(連覇)となりました。その一瞬の成功競技はニュースで何度も流され皆の記憶にも残ってるシーンでしょう。しかし、それまで3位につけてたのは前回の五輪で予選落ちして悔し涙を流し、今回メダル獲得のため研鑽を積み、五輪直前では当落線上にあった堀米選手を圧倒する成績であった白井選手。最後の一瞬で4位に落ちてしまいました。

団体の球技、水泳、陸上競技は随分世界のレベルに水をあけられました。あと1点に泣いた男子バレーボール、男子卓球など悔しい思いをしたことも多々ありました。そして短距離種目だけでなくいろんな競技での代表選手にハーフの人が随分増えた印象を持ちました。

また、今回日本がメダルラッシュとなったレスリングの階級数が以前のようにまた減らされないか(日本バッシングみたく減らされたことあり)、注視したいと思います。

敗退し競技終えた直後の息も絶え絶えの選手にいきなりインタビューってどうよ、とは前回東京五輪の時も書きました。そして見事メダル獲得した選手に対して「家族の支えがあってのメダル獲得ではありませんでしたか?」などのお涙頂戴フレーズが入ると、もうチャンネル変えたりします。大会が始まる前「目標は」に対し選手は「メダル獲得です」。で、次に「何色のメダルですか?」な誘導質問も興ざめにて、やっぱりチャンネル変えます。

今回、汚いセーヌ河での水泳や、エアコン無い選手村、エアコン無い移動用バスと長時間の移動、肉少ない料理問題(もちろんフランス選手は手厚い環境)などから始まり、SNS上での選手らへの非難問題など勃発しました。

白血病から見事復活した池江選手が100mバタフライで敗退した時に受けたインタビューで「今まで頑張ってきた練習に意味が無かった」と悲しいことを言ってましたが、最終種目の混合リレーで5位入賞を果たし「やってきて良かった」の言葉に安堵したものでした。

次回のロス五輪では野球が復活、地元の大谷選手も参加に意欲を示してるそうで、今から楽しみですね。