先週、先々週と少々国会図書館のお世話になっております。

パチンコ関連は最近特に過去の書籍の値段がヤフオクやらメルカリでも高騰気味。

しかも欲しい情報はその中のほんの一部。

であればわざわざ買うまでもないので、そういう時に「過去の書籍はなんでもあります」な国会図書館がヒジョーにありがたい存在です。

正に知の結晶とでも申しましょうか。

お隣の国では過去に何度か焚書でこういった遺産を無くしてしまっているだけに、殊更日本って素晴らしい国だなって。

勿論、永田町までの道のりは遠いんだけど、基本的には誰でも使えて、欲しい情報がすぐ手に入る。しかも、ネットに転がってるような浅い情報じゃないものが。

それってとんでもなくスゴイことだと思います。

ただ……実際に現場に通って思うのは

「あの本を書庫から出して下さい」

待ち

「来た来た、読もう」

「あ、この部分印刷して持ち帰りたいな」

「印刷の受付にアレコレ移動します」

待ち

「次これ読みたい(冊数制限ひっかかりー)」

「返却&受付ー」

待ち

<印刷できたやでー

「プリント受け取って書庫じゃない本は元の場所に戻すやでー」

「……いや、色々遠くね?www(新聞関係が特にコレ、そして新聞が見たい人)」

このマラソン感&待ち時間のロス感よ。

3回目くらいになると大分慣れてきて、如何に効率よく回るかを突き詰めて大分マシになったとは言え、思った以上に時間も歩数もかかるのが国会図書館ですし、だからこそネットでは得られない情報に価値があるってなもんです。

勿論、ネットでも今は大概のことが分かります。自宅で、スマホで、ある程度の概要くらいはすぐに調べられます。

それをもって、言い回しだけ適当に変えて、商業的にはそういう時短を上手に使える人がリターンを受けやすいのが今の世界だと思います。

AIなんかがその最たるもんですよね。

でも、それじゃ浅いと思ってしまう。

その日、その時にしか分からない現場の情報が100だとしたら、本に載るのは80、そしてネットの情報は60。

こういうイメージで、ネットは特に読みやすさ、理解のしやすさを重視する傾向が強いから、本当の意味での深い情報は手に入らないんです。

で、60を見て100を知ってる風になるのはすごく浅い事だし、色んな60をかき集めて100に「見せる」事は可能でも、そうやって誰もがすぐにアクセスできる60をこねくり回したところで、それに価値なんてないと思ってしまう。

だから、もう戻れない過去の100に触れることは出来なくても、60をかき集めた100じゃなく、80をかき集めた120にしようよ、と。

それが、ボクの最近のテーマであり、国会図書館に通う理由です。

栄華さんありがとう

ちなみに、国会図書館に何があるかはネット上で事前に調べられます。

今回ボクが見たかった本等々は、1980年代前半のこと。

フィーバーやらゼロタイガーやらバトルエースやらが登場し、1990年代から2000年代にかけてのパチンコが作られる基礎となった時代です。

ただ、この時代はガイド、マガジンら攻略誌は存在していません。

そして、ボクはまだ小学生にもなっていない歳だから、当時の空気感なんて分かりようがない。

でも、その時代の動画を出すならば、その時代を生きた方々の肌感を知らなきゃいけないじゃない。

なら業界紙よね!

という事で、遊技通信やら遊技日本やらグリーンベルトやらを検索してみたものの、どうやらその時代の書籍は国会図書館にもないらしい。

しかし、そこは国会図書館初心者ワイ。

「いやいや、全部あるんでしょ?何でないのよ。検索方法がアカンの?」

とアレコレやってみるわけですが、全くヒットしない。

う~~ん、と悩んだ挙句、その道のプロである栄華さんにLINEをぽちっ。

すると、やっぱり国会図書館にも無いそうで、ここで一旦詰みました。

ただ、色々やり取りをさせて頂く中で、ふと検索ワードを変えてみたところ、王様手帖だけは80年代から辛うじてある事が判明。
※王様手帖では出てこず、アドサークルで検索したら出てきた。なんでやねんw

無事、当時の貴重な資料に目を通す事が出来ました。

パチ裏全史と栄華さんが如何に凄いかって話

最近は新卒くんが抜けて、アレの余波を感じる裏研修さんですが、ボクはパチ裏全史さえ安定的に更新されてくれていたら他のゴシップに今更興味はありません。

そして、国会図書館に数回通った経験で思うのは、あそこにすらない1980年以前の情報について、あそこまで調べ上げてあの台本を書いている栄華さんのすごさです。

パチ裏全史とは無関係ですが、神保美香さんなんかもそういう立ち位置ですよね。

業界の方々と長年お付き合いをされ、以前から歴史的な物に目を向け、それを書籍他、様々な形で表に出していらっしゃる。

これを出来る人が日本に何人いるんだよ、と。

いわゆる「やろうと思ったら出来る」レベルの人はそれなりにいるとしても、かける時間と見返りを天秤にかけたらやれないしやらないよね、普通は。

パチンコ業界とその中にいる人たちは、そうしてこれまで歴史を丁寧に残すことをしてこなかったわけだし、それは過去の業界紙が国会図書館に納本されていないことからもよくわかります。

ご存じない方の為にざっくり補足しておくと、国会図書館は「本作ったら自分から納本してや」っていう納本制度を下に運営されていて、せっかく作った本でも発行元がそれを知らなかったり「別に残さなくてもいいやw」ってスタンスだと国会図書館にも存在しない、失われた物となってしまうのです。

ぱちんこ業界がこれまで何を重視してやってきたかが、本当によく分かる1シーンだな、と。

安田一彦著 パチンコ黙示録はちゃんと国会図書館にあるのになぁ……。

だからこそ、今パチ裏全史を作っている栄華さんの凄さが際立つわけで、あの仕事が出来る人はマジで日本に数人しかいないと思います。

そして、あの企画にお金と自分の時間を差し出すゴーサインをした、裏研修の店長さんにも敬意しかありません。

色々大変だと思いますが、完結まで頑張って下さい、本当に本当に応援しております。

ボクの立ち位置との比較

先週、メンバーシップ限定でアップした一発台に関する動画は……よし、思い切って言ってしまおう。

YouTubeで100万再生取れる動画だと思って作りました。

まだ一般公開していないのは、その他の進行状況を鑑みてその後の動画の安定供給が難しいからですが、9月1日あたりを目途に公開するつもりです。

何を出してもすぐに爆伸びするような超有名YouTuberさんたちとは違い、泡沫レベルのYouTuberが作る動画は、100万再生を取るにはロングスパンで伸ばしていくしかありません。

権利物の動画が良い例かな。

アレは公開前に「絶対10万再生取る」って内々で宣言して2年超?

今は130万弱再生までいっていて、今回の動画もそんな感じになると思っています。

こんな宣言して20万くらいで止まったら、アレすぎて死にたいけどもw

でも、こうやってアウトプットして自分を追い込み、失敗しても恥じることは何もない。それが自分を成長させるために必要な事の一つです。

そして、この話の本旨はそこではなく、パチ裏全史さんがこの先どんな数字であろうとも、ボクが作った動画の方が数字を取れていようとも、あちらの内容の方が遥かに価値がある、ということです。

世間の需要と価値は必ずしも一致しない。

需要とお金はイコールだけど、価値とお金はイコールではない。

それでも、価値を追求してモノ作りをする。

その凄さの片鱗が見えた気になれるのは、パチ系で全くメインストリームではない、トレンドにも引っかからない歴史系ポジションで、YouTube上の数字を取ってきたというボクの矮小なプライドからくるものですが、そうして一所懸命やっていると自分より上の世界がいくらでも見えてきて、だからこそもっと頑張らないと、という気持ちになれる。

これが、今自分がいる環境って事なんですよね。多分。知らんけど。

「楽しい」とかは今はいい

さて、最後はいつもコメントを下さるギルBさんへのアンサー的な話で〆たいと思います。

先々週のブログに

「“恩返し”なんて思わずに〈楽しい〉からやってるんだという事を忘れずに」

という有難いお言葉を頂きました。勿論、それが出来れば一番いいですよね。

でも、正直なところ今は「楽しい」なんて気持ちは微塵もないです。

こう言うと語弊がありそうなんですが、楽しさなんて感じてる暇がないというのが正直なところでして。

やりたいことに迷いはない。でも、いつもずっと「本当にこれでいいのか?」という自分への疑問と戦っている。そんな感覚でして、楽しいよりも何よりも「もう一段上の世界が見たい」しかない。

そして、それに向かう毎日は、正直すごく辛いこと。

もっとパチンコを打ちたい、パチスロも打ちたい、サッカーも見たい、風俗にも行き……いや、それはええとして、ダラダラ過ごしたい、温泉行きたい、家族との時間をもっと取りたい、そういう自分の快楽を優先したい気持ちは勿論あります。

そうしたら楽しいし、楽だろうなって気持ちはメチャクチャある。

でも、そういう生活に甘んじた場合、自分のこの先の上限値がもう見えてしまっている。

これまで、楽しいこと、やりたいこと、そればかりを優先してきた人生でしたし、それで自分が満足できる立ち位置を築いてきたつもりでしたが、息子が生まれ、守るべきもの、守りたいものが明確に見えた時に、もう一段上に行きたい自分と、ゆるくやって満足する自分とを天秤にかけた時に前者が上回っている。

楽しさを感じられるようなやり方では、結果的に後悔するのが目に見えてしまっている。

だから、辛くてもやる。

その最中に、楽しさなんてありません。

あと、いくら恩返しなんて言ったって、自分が大きくならなきゃ返せる恩なんてたかが知れてるわけで、それでいいとも思えません。

そして、幸いなことにその覚悟をもってやれば「俺ならもう一段上にいけるよな?」と、ボクは自分を信じられる。

傍から見たら「何言ってだこいつwww」と笑われるような話でしょう。でも、そんな他人の評価はどうでもよくて、そうして自分と向き合わなければ成長なんて出来ないと思ってる人間なので、辛いけど信じて進むだけ。

そうやって頑張れば、後悔は必ずあるんだけど、数年後、もしくは死ぬ時に「やりきった」と言えるし、そういう毎日でありたいと思っています。

一番は、そういうオヤジの背中をチビに見せたいってだけなんですけどね。

楽しいとかではない、責任感かな。いや、自己満だな。うん、なんでもいいよ。自分が頑張る事で周りを幸せにできる存在になりたい。そう思うことに理由なんていらないから。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 累計15年間パチプロしちゃってごめんなさい
  • CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。
  • 現在は悠遊道動画チャンネルの何でも屋

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