2月1日から出玉が少なくなる、と誤解を与えた報道機関

実際、このニュースを読んで、お客さんから、「今日から出玉が少なくなるのか」と従業員に質問が飛んだホールが全国各地にあった模様だ。NHKともあろうものが、ニュースを全く正確に伝えていない。

依存症対策のために出玉が3分の2に規制され、4時間打っても従来のように10万円出ることもなく、5万円以下の出玉仕様になることは間違いないが、一番肝心の2月1日から保通協に持ち込まれる新基準機が規制対象になる、という部分が完全に抜け落ちている。

(中略)

諸悪の根源は国民の7割近くが反対するIRカジノにある。

IRカジノ誘致に一番熱心な大阪府は、ギャンブル依存症対策の一環として、平成30年度から高校生を対象に依存症予防の取り組みを始める方針を固め、という。

社会人になる前に、ギャンブル依存症の恐ろしさを学んでもらおうと、依存症について説明したリーフレットを作って府内の高校に通う3年生全員に配布したり、専門家による講演会を高校で行ったりする予定としている。

これもカジノに反対する人たちへのアリバイ作りである。IRカジノ解禁のために世の中がかき回されている。

前述の件で、全日遊連はNHKに抗議してみる?

2/1のNHKの報道は、筆者もリアルタイムで目にしました。

その時の感想は確かに「あー、やっぱり誤解された報道されてるなぁ」というもので、その点については日報筆者と同様です。

少なくともNHKに関しては、民間の報道機関とは違うわけですからしっかりと事実を報道して欲しいという点も頷けます。

一方、諸悪の根源がIRというのは日報筆者の「他人のせい」思考が如実に表れており、嫌悪感しか覚えません。

総務省が平成29年8月の確定値として算出した日本の20歳以上の人口は1億0500万人。パチンコユーザーは1,000万人に満たないわけで、この数値を基準に考えるならば国民の9割以上から「NO」を突き付けられているのがパチンコ業界です。

確かに今回の規則改正に至る経緯にIRの存在が大きく関与している事は間違いありません。しかし、そもそもIRがなぜ必要とされたのか、IRを推進する議員がなぜ国会の席に座るのか。その大元には国民の声があり、パチンコ業界が縮小される事とIRを推進する事が世間から望まれていると考えるべきでしょう。

 

今回の新規則内容は、1から説明しないと中身が非常に分かりづらい点が多々あり、業界を少しかじっている程度の筆者でも新規則下でどのような機械が出てくるのか未だ不透明な状況です。

出率や波が抑えられるのが現時点で確定しているとは言え、5号機の初期も同じように言われつつの今がありますから、「4時間5万円」という数字もユーザーのヒキ次第で超える機械は生まれるでしょうし、いずれ忘れ去られていく程度の言葉の独り歩きです。

そして、正確に報道するという事は、それらの仕組みそのものにスポットを当てる事になりますが、その根底には保通協の検定方式の問題があります。そして、その裏にはいつの時代も射幸性を高める事に腐心し、検定の穴をつこうとしてきたメーカーの姿があります。

風営法の抜け穴を探し続けてきたホールの広告宣伝の実態もあります。

お上に怒られなければ業界をコントロール出来ない業界団体の不甲斐なさもあります。

それらは一体誰の為だったのでしょうか?世間に必要と認められる「利他」が無いまま、グレーな実態に甘んじて蓄財に邁進してきた業界をNHKに掘り下げられたいとでも言うのでしょうか。

ネガティブな点には触れず、3年間は今の機械が使えるという業界にとってポジティブな部分にだけスポットを当てろと言うならば、それこそ報道機関として問題がありますし、虫が良すぎます。

まして、仕事として業界に関わる事はあっても打つ事はない業界人も多い、なんて話が漏れ聞こえてくるくらいです。仕事上無くなっては困る人が自身の業界に好意を持っていない。他業界に目を向ける前に自分たちの襟を正す事から始めるべきでは?と感じざるを得ません。

「日本にはパチンコという世界に誇れる、世のため人の為になるギャンブル文化がある。だからIRなんていらない。」

そんな事を声を大にして言える業界であり、これまでの行いにユーザーの為、社会の為、といった視点が足りていたならば、今の立ち位置に追い込まれる事は決してなかったはずです。まずは、それを自覚する事からではないでしょうか。

 

世間の9割が遊ぶ事の無い「パチンコ」というワードを全国放送で取り上げてもらえた事に感謝こそすれ、抗議などとはもっての外に思えて仕方がありません。

勿論、全日遊連がそんな事をするとは思いませんが。