先日、とあるお方より『期待値の意味がよく分からない』という話がありました。

悠遊道の読者諸兄であれば、多くの方が『期待値』を理解しているものと思います。また、パチンカーであれば『仕事量』という言葉も耳にすることは多いのではないでしょうか。

そういう方にとっては不要な話ですが、今日は『期待値とはなんぞや?』ということを書いてみたいと思います。

まずパチンコ・パチスロにおける期待値の基本・大元とは、『理論上の差玉・差メダル』を表すものです。

この仕組みを説明する時にボクはサイコロに例えて話をします。

★前提1:1~6の数字があるサイコロで1が出たら大当たり

★前提2:サイコロの出目が出る確率はイカサマなしの等しく1/6とする

★前提3:サイコロで1の出目が出たら大当たり、6,000円もらえるものとします

上記のような前提条件で、考えた時に

◆Aのサイコロは1回サイコロを振るのに500円

◆Bのサイコロは1回サイコロを振るのに1500円

このような違いがあるとします。

あなたはどちらのサイコロを振りますか??と言う時にBを選ぶ人はいないでしょう。

さて、ここからが期待値の話。

Aのサイコロを12回振った時の期待値はいくらでしょうか?

理論上は、1/6で当たりが出るわけですから、2回大当たりを引ける計算になりますので、得られるお金は12,000円。そして、12回Aのサイコロを振るのにかかるお金は500円×12で6,000円となるので、この場合の期待値は+6,000円となります。

では、Bのサイコロを同じように12回振った場合はというと、Bは一回サイコロを振るのに1500円かかりますので、投資は18,000円。しかし戻るのは12,000円なので-6,000円となります。

こうした、計算上の数値を『期待値』と言います。

しかし、実際にサイコロを振った場合、当たる確率はあくまで1/6。何回大当たりが出るかは運ですから、A、Bどちらを振ったとしても、12回程度の試行回数では、必ずしも勝てるとも負けるとも限らないわけです。

 

では、サイコロを1,200回振ったらどうでしょうか??

運不運は必ずありますが、それだけの試行回数をこなして1/3で当たり続ける、はたまた当たりが1/20しか出ない、そんな人はごくわずかです。多くの人が限りなく1/6に近い形で大当たりします。

しかし、Aは500円、Bは1,500円、という投資の部分は変わりませんから、やればやるだけAのサイコロを振る人とBのサイコロを振る人の差は大きく開いていき、Aは勝つ人が多くなり、Bは負ける人が多くなります。

 

さて、ここからはパチンコにサイコロを当てはめてみるとどういう図式になるか。それは

★大当たりの金額=出玉(一回の当たりで得られる平均出玉)

★1回サイコロを振る金額=回転率(千円で何回スタートが回ったか)

★サイコロが当たる確率=大当たり確率(1/319とか1/99の部分)

このようになります。

そして、良く言われるボーダーラインというものは、機種それぞれにおける損益分岐点(プラマイゼロ)のラインを指しています。

先ほどのサイコロの条件で言えば、1,000円でサイコロを一回振れる(1回転/千円)が、ボーダーラインになるわけです。

勿論、機種によって確率・出玉は異なりますので、それぞれの計算は必要なのですが、デジパチにおける勝ち負けの根本は全てこれに集約されています。

そして、大当たり確率(サイコロなら1/6)は決まっていますので、出玉や回転率を高めて、ボーダーラインよりも上の条件で打ち続ける。デジパチで勝つ為の方法論は特殊な攻略を除けば、これだけです。

 

次に、パチスロに置き換えてみるとどうなるか、ですがAタイプの代表格、ジャグラーで考えてみると

★大当たりの金額=BIGとREGの出玉(ほぼ固定)

★1回サイコロを振る金額=千円当たりのゲーム数(30数ゲームでほぼ固定)

★サイコロが当たる確率=1~6までの設定で変化する

このようになります。サイコロに置き換えると

大当たりの金額は6,000円で固定、一回振る金額も1,000円で固定、しかし、6面体のはずのサイコロが、パチスロ特有の設定によって1が出る確率が1/3になったり1/10になったりするわけです。

ですので、細かい仕様の差やハイエナ攻略等の話は便宜上ここでは端折りますが、勝つ為には当たりが出やすい(サイコロの確率が良い)高設定を掴むのが基本となるわけです。

 

では、本日のボクの実戦を振り返ってみましょう。

機種はコードギアスR2 C.C. 1913ゲームほど、趣味打ちをしてまいりました。

投資は2千円、回収は1657枚。1557枚ものプラスになりました。

しかし、期待値はどうか?と言えば、何にもないど平日の空いてる台に適当に座っただけ。こんなものは当然設定1だったと考えます。

その場合の期待値は約-115枚ほど。※計算式:1913ゲーム×3枚×0.98(機械割98%と仮定)-1913×3

つまり、1400枚ほどツイてたってだけの話で、こういった稼動を繰り返していると、試行回数が増えていくにつれ期待値上のマイナスが積み上げられていき、運・不運はあれどその近似値に近づいていき、最終的には負けます。

設定1だけを打ち続けて勝てる人はいません。ボーダーラインを下回るパチンコ台でも同じです。

今回のボクの稼働は、趣味打ちと書いている通り、期待値上の負けは覚悟の上で打っているわけですからそれは問題ではありません。

お伝えしたいこととしては、『相手が機械である以上、期待値はウソをつかない』ということと『期待値ベースでいくらなら負けてもいいのか』を意識することで、勝ち方も負け方も変わる、ということです。

 

何やら、ブログらしくないお話に終始してしまいましたが、数少ないであろう初心者に近い読者の方に参考になれば幸いです。

 

シーツーカワイイヨシーツー。

以下、余談。

それにしても、今日はお買い物ついでの遊びで横浜駅周辺のパチ屋を巡ったんですが……こんなに閑散としてたっけ?って風景ばかりが広がっていました。

どのお店も客付き2~3割ってとこ。神奈川1の繁華街やぞ?

そしてパチスロコーナーで特徴的だったのが、お客がついているのが未だにゴッドやら絆やら沖ドキやらの『旧基準機』ばっかりっていう。

まぁ、平日の昼間っからパチ屋が大賑わいってのもそれはそれでどうかと思うので、ある意味健全な姿なのかもしれませんが……。

お世辞にも楽観的になれる状況ではなさそうですし、当然それは調整面に反映されるでしょうから、皆さまくれぐれもお財布に優しいご遊技を。