不二子TYPE-A+では、スーパービッグを入賞させた状態で、第3停止ボタンから指を離さずにリール窓右にある「PUSH」を押し、ボタンの色がエメラルドグリーンに変化すれば、ビッグ消化中に流れるBGMが「オリンピアコレクション」に変化します(ストーリーモード選択時を除く)。

ここで十字キーを操作すると、ビートザドラゴンやスペースバニー、ホットロッドクイーンや大江戸桜吹雪など、オリンピアさんの過去の名機の楽曲を選べるんですが、最初に必ず「ビーナスセブン」のハープ音が流れます。元祖ビーナスセブンでハープ音が流れる条件は「ビッグ成立後に3枚がけでエクストラライン(ほうき型)に赤7または黄7を揃えた場合」となっており(BARはエクストララインには絶対に揃わない)、ビーナスセブンの現役当時、ハープ音のファンファーレを喜んで鳴らしていた私のようなプレイヤーはかなりの少数派でした。だって、1枚がけで中段に揃えた方がコインロスが少ないですからね、ええ。

にもかかわらず、オリンピアコレクションのトップに置かれているということは、オリンピアさんは余程このハープ音にこだわりがあるようで…。

 

私が知る限り、このハープ音はビーナスセブンの他に、ビートザドラゴン(通常時のレバーONで流れればビッグが確定するプレミアム告知)、ジュピタークイーン2(7ラインのストック機。エクストララインでビッグを揃えてハープ音が鳴れば連チャンモード以上が確定する)、初代めぞん一刻(REG中に枚数調節を行なったあと、残りゲーム全て順押しで3連7をビタ押しすれば、REG最終ゲームの第一停止でハープ音が鳴る)の3機種のみ。それに不二子A+が加わったため、元祖のビーナス姉妹を合わせると全6機種に搭載されていることになります。

でまぁ、私はビーナスセブンが大好きでしてね。いや、もちろんビーナスラインの方が遥かに好きなんですけど、本日アップしたコラム(第18話)でも説明したように、この機種は設置店における実質的な稼働期間はおよそ1ヶ月。早いところでは2週間かそこらでシマ封鎖され、残りの設置店でも早々に「変則打ち禁止」や「女性専用台」にされてしまい、私も2週間打てたかどうか。そんな殺伐とした雰囲気の中で打つのは楽しくもなんともなく、私が本当にゲーム性を楽しんだのは各種攻略要素を封じられたビーナスセブンになってからでした。

 

ところで、お店から1ヶ月も経たずに撤去されたビーナスラインはどうなったか? 一部は基板を改修されてビーナスセブンに生まれ変わりましたが(外見上で異なるのは下パネルがピンク色になっただけ。中央パネルはそのままの紺色でしたから、みっともなくてしょうがなかった)、そうならなかった台はほぼ産廃処分にされたようです。もちろん、中古の流通システムが確立されてなかった当時は、ホールから撤去された台は例外なく産廃処分となったので、ビーナスラインだけが悲しい末路を辿ったと言うのは少し語弊がありますが、メーカーさんにとって黒歴史に等しいビーナスラインは一刻も早く世の中から消したかったんでしょうかね、現存する実機は極めて少なく(たまにオークションに出ると信じられないような高値がつきます)、スロマガライターの篠崎健二さん(しのけんさん)など、ごく一部の愛好家の方たちが大切に保存されているにとどまります。

…で、実は私もビーナスラインに関するアイテムを一つだけ所有してましてね。

 

ビーナスラインのパネル時計です。右上の旧1号ライダーのディスプレイは無視してください(笑)。

これは、ビーナスセブンに生まれ変わり不要になった台の下パネルを改造してパネル時計にしたものです。当時、オリンピアさんの広報だった「担当M」さんに頂いたもので、以来、我が家のメイン時計として約18年間も時を刻み続けています。オリンピアメイトさん(当時のオリンピアさんのHP会員)への懸賞としていくつか製作されたらしいので、同じパネル時計を所有している方が私の他にも何人かおられるはずですが、できれば末長く大切にして欲しいなと、ビーナスラインを愛する私はそう願ってやまないのです。

 

今回は少しだけセンチな気分になりました(笑)。